拒食症体験記 ~13歳の拒食症~

私の10代は、摂食障害で狂わされました。
拒食症になったのは13歳の頃です。

拒食症に至るまで
拒食症発症
その後

私の経験したことを思いだせる限り、そのまま記していこうと思います。

同じ様な思いをしてしまっている方々に
少しでも何か、気付きの手助けになれたらと。

小学生の頃は、友達も多く、部活もバリバリ
運動会ではリレーの選手、ピアノは伴奏や指揮者、絵や習字や自由研究も県で飾られたりと
とにかく常に成績優秀の良い子ちゃんでしたね
全校集会では校長先生に名指しで誉められ、学級委員や学年委員意外には携わったことがなかったです

まぁ、この頃から
周りの目、母親の顔色を伺い
子供らしい可愛さの無い子だったと思います

母親の性格は一言で言うと
真面目で真っ直ぐです
自分の固定観念や常識に厳しく
又、自分の気もちがストレートに出る人だったので
挨拶や生活習慣、気もちの在り方等
勉強意外の面ではかなり厳しかったと思います
凄く優しい心の持ち主ですが
気もちの伝え方が上手く無いので
人を誉めるということが余り上手ではないんですよね

なので私は
常に成績優秀で、正義の為に頑張り
学校では周りの人に感謝され、認められているのに
全く誉めてくれない、嬉しそうにしてくれない母を前にして
「もっと頑張らなきゃ。」
そんな感じで良い子ちゃん良い子ちゃんを突き進めていきました

今思うと
この小さな頃からの少しずつのすれ違いが
これからの人生に全てのし掛かってきてしまったんだな~と思います

幼少期の親との関係って
凄く大切だと改めて思います

私が拒食症を発症したのは、中学1年生の秋頃でした。
時期というのも、今思い返すとその辺りかな~という感覚で
本当にガリガリになる迄
当時の私は、自分としても余り「拒食症」 という実感は無かった様に感じます。
生活は確実におかしくなってきているのに、本人の自覚が無いのも、この病気の特徴かと思います。

中学の新生活では、何の問題もなく、充実した楽しい毎日を過ごしていました。
悩みが出来たのは、夏休みに入る頃。
私は部活の中で仲間外れに合い、
その後半年以上、部活内で孤立した存在となってしまいました。
学生生活で、仲間外れの類いのトラブルは、よく聞く話では有ると思います。
ただ、
家庭内では弱音を吐かずに、いつも良い子ちゃんできた私は
両親に心配をかけたくない、嫌われたくない、ガッカリさせたくないという思いが強く有り
その悩みを両親に打ち明けることができませんでした。
仲間外れになっても、1日も休むことなく部活に行き、生徒会にも入り、変わらずの成績優秀。
良い子ちゃんを貫き通していました。
その歪みから、私は少しずつ
寂しさ、辛さ、認めて貰いたい気持ちを募らせて行ってしまったんだと思います。

身長158㎝、体重46㎏
スポーツテストでは学年1位の、健康的な身体でした。
自分の見た目にも特に不満は特く、痩せたいと思ったことも無かったです。

丁度その頃、夏前のHR
担任の先生に、皆の前で「ポッチャリしたね。」と言われ
少し恥ずかしい思い。
また「ダイエット」という言葉が流行りだしたことも有り
家に帰ってから食べるおやつを
「いつもは3つだけれど、今日は2つにしてみよ~」と、ただ軽い気持ちで、少し減らしてみることにしました。
減らしたから何になるだとか、何かの為に減らすだとか、
減らしていることさえ実感もない程に
ただ、なんとなく…

この
ただ、なんとなく…が
全ての始まり。

なんとなく…の気紛れで

中学1年生以降
私は 普通に食事をしたことが有りません。
出来ない身体になってしまいました。
笑顔で楽しく食事を食べていても
頭の中は、雑念が邪魔をします。

食べ物食べ物
食べ物食べ物
食べる為に
食べたい為に
食べ物の為に
食べない為に…

食べ物に支配される生活の始まりが
こんな些細なことだなんてね。
そんなこと、わからないですよ。

毎日の夕食、おやつを気持ち少な目にする生活をしてから少し経つと、衣替えの時期になりました。
体重を計ってみると42㎏
4㎏程ストンと落ちていることに驚き
それと同時に、何故か達成感。
数字はハッキリと結果を伝えてくれます。
誰にも評価されない、頑張っても認めて貰えない
見て貰えない、、、寂しい

食べる量を減らすと、体重が減る
「頑張ったらその分、体重は減り、体重計の数字を通して結果がきちんと答えてくれる」
頑張れば、数が私に答えてくれる
頑張れば、認めて貰えるんだ。

私の寂しさは、この落ちていく体重計の数字に救いを求めていきました。


またその頃になると、見た目にも出てくるらしく
「痩せた?可愛くなったね。羨ましい~私も痩せたい~。」等と、周りの友達からも言われる様になりました。
「誉められちゃった。嬉しい。」
ここでまた
「痩せると可愛い」「痩せると羨ましがられる。評価される。」
という方程式が確立。

それからは毎食の量を減らす様になり
おやつも食べなくて済むので有れば食べずに
「どうしたら体重を減らせるか」
という間違った目標に取り付かれ
「食べない為にはどうするか。カロリーを減らす為にはどうするか。」に全力を尽くしていくことに。

家庭科の教科書に有る
食品別の、100gm辺りのカロリー量の全項目はほぼ暗記。
家に有る食べ物にカロリー表記が有れば確認するのは勿論のこと、
スーパーに有るカロリー0の飲み物の種類も把握に努め
どこでも「カロリー」という文言を見る度、聞く度
片っ端から頭に入れていきました。


「食べない為なら、何でもやってやる」

毎日の食事。
天ぷらが出れば、キッチンペーパーで衣の油を何度もすいとり、肉野菜炒めは野菜しか食べず、
ご飯を盛る際には、ご飯の下に漬物で嵩まし。
ラーメンを食べている振りをして、服の中に隠してあるポリ袋に口から出し、
飲み物を飲んでいる振りをして、口のなかのご飯をコップへ出す、、、

異常行動の始まり。

毎日、家族で夕食を食べていたのですが
この時はまだ、家族は気が付いていませんでした。
私もズル賢くしたたかで、表面では何も変わらず
また、冬ということも有り、厚着で肌の露出も無い為、「少し痩せた?」位でした。

この頃は
「いかにして、周りに気付かれることなく、
摂取カロリーを減らせるか」
に全てを尽くしていました。

忙しい中、家族の為に
一生懸命、毎日美味しい料理を作って下さっている母親。
食べている振りをして口から出し、頭の中ではカロリーカロリーな私。

親の愛をこんな形で裏切ることに罪悪感も感じず
頭の中はいつも「食べ物」なのです。
一番大切なもの、家族の愛、温かみが見えなくなっていた私は幸せの感覚すら破綻。

これからまた更に
食べ物に狂ったロボットと化していくことになります。

この時の母親のことを思うと
今でももう、本当に、何とも言えない気持ちになります。
親の愛がどれだけのものなのか
その事を考えると、胸が苦しくなります。

拒食症体験記 ~13歳の拒食症~

拒食症体験記 ~13歳の拒食症~

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-20

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