昭和生まれの男の、どうってことない話 4
早朝、大江田は、逃げるようにホテルを出てタクシーを呼び、駅で電車を待った。
クズはクズのままだった。いや、ああいう生き方しかできないのだろう。
家の息子の顔が浮かんだ。俺の今の役割はこの子を守ることだ。ゴミみたいな過去はどうでもよい。
息子に悲しい思いをさせぬように生きなければ。
大江田は寂しそうに夜明け前の星空を見上げた。
のんびりとした妻の、話し合いをしてという言葉を思い出した。
「なぁにが話し合えだ」
昨夜の年老いた母の強烈過ぎる下着姿が目に焼き付いてしまった。
大江田は噴き出したあと、泣いた。
終
昭和生まれの男の、どうってことない話 4
タブレット直打ちだと700文字前辺りから重くなり、文字を打つたびに画面が揺れ、文字酔いになる為、
分割で投稿しました。
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