未だ書き方がわからないけど叶うならせめて少しだけでも感動を詰め込みたいとかは思ってたりするんだよね

「一緒に居られるだけでいい」
と君は平気な顔をして言う
「お前が厭だって言っても離さないから」
と僕は言葉の意味もよくわからないまま言う
あんまり見繕ったところで
どうせ今は変わりはしないのだから
そんなこと互いに思いながら並んで歩く

僕の人生を本にしたら
今日の君は一体何回目の登場なのだろう
たかだかまだ僕の数ページしか埋めてないくせに
実はこの物語のヒロインになろうとしているんだ

思い返すと誰しもが思うのかな
それにしてはちょっと詰め込みすぎたような
そんな気がするけど

あと少しもうちょっとだけ待てば
人と人とを結ぶ魔法でも発明されないかな
まあなんて思ってみたりはするんだけど
ひょっとしたらもしかしたら必要ないんじゃないかな
どうだろう

まさかこんなコトが起きるなんて
全くもう想定していなかったから
いつどこでどうしてどうやってが
抜け落ちてたり順序が逆だったりで
先に約束を置いといたから
その間がちょっと切なくなったり
埋め合わせに抱きついたって
今日がただただもうダラダラそう
カラカラと転がると
いつもなんだか物足りなくて
ひとりがなんだか淋しくて
自分が自分じゃないんだよ
こんな自分が自分なんだよ
ほらほら法螺話でもいいんだよ
これからを楽しくしてみようよ
どうせならこんな中途半端な今日までの自分なんて
シャワーで綺麗に破り捨てて
こっからを書いてみよう
どれだけの感動を詰め込めるかな

読み返すと僕らは思うのかな
それにしてはちょっとブサイクすぎるような
そんなタイトルになりそうだ

あの瞬間もしかして君は
君と僕とを紡ぐ魔法でも唱えたのかな
まあなんて思ってみたいのだけれども
ひょっとしたらもっとしたらきっと同じなんじゃないかな
どうだろう

楽しいですか
僕はあんまり得意じゃないから
上手に好きで居られているか
わかんないんだ
嬉しいですか
君はいつでも平気そうだから
言葉が正しくあっているのか
わかんないんだ

始め方も続け方も終わり方もその理由も
一体全体がどうしてか僕は更にわからなくて
早くも僕の筆は止まりかけて
だけど心の鼓動は孤独にも踊り続け
僕を記していくんだよって
なんだかとってもアホらしいな
頼んでもいないのに
休まずに年中無休しかも24時間営業
それをお前は続けてんだな
「凄いよ」って素直に褒めたいよ
「偉いよ」とはちょっと違うけど
お前に比べたらこのストーリーに
誇れるものはまだないけど
いつかきっと言わせてやるんだ
「良かった」ってただその一言を

塗り潰そうかもしくは塗り替えたいな
そんな過去達が邪魔で破り捨てたい
だけど穢れのない物語になんて僕は惹かれない
そいつらまとめて君と一緒に抱きしめて
ようやく魅力ある一話くらい書けるかな
つらつら倩たるとはいかなくても
支離滅裂の繰り返しでも
嗚呼なんだか早く書きたいよ
止まってた筆が進まずとも
一秒先の自分に逢いたいよ
少しってか凄く気持ち悪いこと言うけど
今すぐ君に会いたいよ

どうにかこうにか今まで自分を続けてきた
世界があまりに融通がきかなくてさ
そんなに上手くはいってはいないんだけど
どうせこんなクソみたいな仕組み
このバグった身体でしか楽しめないんだろ
だったら使い熟してやんよ
さっさとかかって来いよ
いや待ってでもいきなり来られても困るけどさ
君が好きって言ってたあの時みたいに笑えんのなら
両手広げて待っててやるよ

繰り返しても世界は許すのかな
それにしては少し歯止めが効いてないような
でもまあそれでいいや

もう少しあとちょっとだけ僕が
君と僕を記す魔法が上手かったらな
まあなんて思っていたりいなかったりで
ひょっとしたらきっと僕ら上手く描けてんじゃないかな
どうだろう

どれだけの間
此処に存在していられるんだ
元々居なかったのに
今は僕を呼ぶ人達が居て
例えば数ページしか埋められなくたって
そもそも延々と言葉を並べる気はないんだ
何の気なしに書いた一節が
ただ永久に続くような煌めきを
そんな夢物語でも説きながら
「君」と「僕」と「君と僕」との三冊を

「今とても愛している」
と僕は少し困った顔で書く
「今ってところがとても信じられる」
と君はどんな顔で記したのかな
あんまり着飾ったところで
どうせいつか叶えてみせるのだから
そんなことをせめて想いながら今日も
僕は生きるよ

未だ書き方がわからないけど叶うならせめて少しだけでも感動を詰め込みたいとかは思ってたりするんだよね

未だ書き方がわからないけど叶うならせめて少しだけでも感動を詰め込みたいとかは思ってたりするんだよね

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-14

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