いつかの私達

何度も生きてわかったことは、世界は変わらないってことだけ。

はい、元気にしてる?

こちらは相変わらずだよ。
何度もやり直して生きてみたけど、わかったことはただ一つ、世間は相変わらず阿保ばっかだってことだけ。

人の良いとこ取りばかりしたがる奴らを見ていて、感じたことは、あああの群衆の中にいつかの私も君もいて、寒いこと言ってらあって、馬鹿にしてたってことだけ。

お腹空いちゃったなぁ。

取り敢えずラーメン食べて、一息ついてる私達。ほっ。

それでもお腹は減るし、いつまでも理想は語ってられないし、明日生きてくことを考えれば鬼が笑う。

今この瞬間、楽しめればいいんじゃないかな、取り敢えずは。

取り敢えず取り敢えず、何でも取り敢えず。

取り敢えずお茶して、落ち着いて当たってごらん。
まぁなんか、見えるでしょ、落ち着けば。

理想を語る大人の減ったこの社会で生きるには、案外それだけで良くて。

まぁ取り敢えず、落ち着きなさいよ。

落ち込むことばっかりだ。でも中には良い人もいる。
ちゃんと見てくれてるさ、大丈夫大丈夫。

取り敢えず取り敢えずで、事に当たりな。

さあもう仕事、頑張りますか。

拝啓いつかの私達。
この手紙を投函します。

午後のお茶を飲んだら、また再開。

いつかの私達

いつかの私達

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-10

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