悲しみの先に

あの日僕が捨てられた時僕はどう感じたのだろうか。
あの時母や父は僕をどう思っていたのだろうか。
自分のテキストには書かれていない、大切な家族の思い出。
他人の胸に刻まれては咲き誇るんだ。
いつか僕もその実感をこの手で味わってみたいものだ。

残酷な人生にさよならだ。

死にたい。死にたい。死にたい死にたい。
「死んでしまいたい」
僕の人生は過酷だ。悲惨だ。絶望的だ。
生まれ育った場所はあまり覚えていない。
ただ、まぁ言うならば拾われたというか預けられたみたいだ。
街外れの路地裏でホームレスに拾われ、それから警察に届けられ親探し...結果は察しで行方不明だが捜査の途中で親の友人と思われる人が僕を引き取りに来た。
生まれてからだいぶ時間が経っているためか記憶している思い出が少ない。
そもそも記憶しておいてはいけないのかもしれない。
親の友人は一人暮らしで凄く綺麗な人でした、それからたくさんの言葉や遊びなどを学び幼稚園から中学生までは教育というもの一般的な人の生活をさせてもらった。
ほんとに僕は幸せ者だよ。
優しい人に助けられたうえに学生生活までも支えてくれたから僕も努力をし、たくさんの学びや家族についてのことを図書館などにいって調べたりもした。
図書館で見つかるはずもないのに僕は気になるニュースなどを調べ無意味な知識を学び頭もそこそこ良くなった。
ただ頭いいだけでは友達はできないのね...これ常識な。
幼稚園はなんとかお遊戯やカードゲームなどをして友達を増やしたりしたし小学生にはたくさん勉強しつつゲームとか最近の話題とかたくさん見つけて出掛けたりしたよ。
でも中学生になるとたくさんいじめられた。なぜなら僕はやり過ぎたんだ、深追いや過去に縛られ作りすぎてしまった。

ある日のこと...それは中学3年の丁度受験シーズンで忙しい頃だったかな。
午後が過ぎもう少しで終わる頃に思い出作りにみんなでなにかしようと討論し話のぶつかり合いが起きたんだ。
一見僕はなんの関わりもないと思われるだろうけどそれはちょっと違うんだよね、友人を英表記して友人AやBにしてクラスメンバーを数字で表すことにしよう。
友人Aがある案をこれはダメだと批判した それは結果いい考えだったのだけれどもクラスのみんながそれに対して反を持ち友人Aは僕に火の粉を擦り付けたのだ。
「お前はどうなんだ?」
僕は自分の意見を述べたそれは両立するように互いを収めるような言葉でその場を止めた。が。
結果は凄く悲惨であった。前半はみんな楽しんでくれたのさ、お楽しみ会とやらでね、でもあまり楽しくなかった人もいるようでそいつらが寄ってたかって僕を囲み暴力や暴言を吐き校庭の隅に引きずり込まれ泥だらけで置いていかれた。
クラス1.2.3.友人B.C...少しのストレスなどでも人は息絶えぬまでボロボロにされることがあるらしい。どちらかを選ばない僕を悪者とし僕は自分を責め自殺を決意した。
毎日のリスカ定期的に支給される薬箱と薬僕を育ててくれる親の友人ゆみへの気遣い自分に対しての自傷と暴言もう生きるのを辞めた廃人のようだ。
中学生を卒業し高校へ通った。
吹く風や鳴る街の音で体の傷は痛み心までをも侵食していく黒に染まっていく。
いつも通りいじめられるのが落ちなんだと悟った。これから先はもう話したくない。

----変わる自分を見てみたい----

「うん、なんとかやってるよ!ううん大丈夫だよ?心配しないでこっちは友達も増えて楽しいんだから」
いつも通りの嘘にきっと気づいてるだろう。
「ゆみさん、病気早く治してね。僕待ってるからね!」
心臓の病気と日々のストレスが原因でそろそろ死んでしまいそうな、ゆみさん。
ちょっと元気を失ったくらいの声で「ありがとう」って一言告げてくれた。
その直後に赤く光るランプとブザー音が鳴り響くことなんて僕は知らないまま電話を切った。
「ちょっとコンビニまで歩いていこう」
ストレスとは日に日に増していってるもの。
発散してもまた溜まるものまるで無限水道のように吸って吐くの繰り返し。
そういやテレビで何年ぶり?かの流れ星が見れるらしい?と聞いたんだけど。
見てみる価値はあるのかな、明後日くらいにって聞いたから見てみよう。
「いらっしゃいませ」
コンビニに入ると聞こえる店員の声と耳に響くパミパミパミュマというメロディが流れる。
「あ!涙生くん!?」
誰...って思う僕は無視して目前のパミュチキの味を見る。これは美味そうだ。
チーズがチキンの中に注入され周りはカラッと揚げられナイスコーティング。
生きてる価値はここにあるのか!?と疑う。
「ねぇ聞いてる?同じクラスの結衣だよ」
これも無視しておこう。関わったらまずい...てかなんで俺のこと知ってるんだよ。
こういうことあるから死にたくなるんだ。死にたい死にたい死にたい...はぁ。
何度もリピートする。彼女の言葉は徐々に腹立ちを増すように強くなる。
「な、なんだよ」
「このー!!」
!?目があ、意識も朦朧と...。
「はっ!?って夢オチか?てかここどこよ」
拉致...された?やっぱりあの女...怖!?
「zzz」
スーハースーハーとかわいい寝息のような音が聞こえる。
「いやいやいや...ありえない」
もう時期『死ぬ』予定がある僕にこんな。
ねぇ?こんなことあっていいの?
「むにゃぁ...はぁーよく寝たー!」
「な、なに寝てるんですか?ここはどこ!」
「え?私の家だよ?」
「そうですか...い、いやいや!『私の家だよ?』じゃなくて!」
「ちょっと気絶しちゃったみたいだから家まで運んで...ね?」
なんだろうこの人は...なんとなく怖い
「ほんとに気絶するもんだねー手刀って!」
手刀されて僕は眠っていたのか...でもまぁ良かったパミチキもちゃんとあるし。
あのまま死んでたらな...って!?なんで半袖!?パーカーは!?お気に入りだったのに!でも一番はリスカ後が見えてしまって。
「見たの?」
「ん、何を!?」
一瞬バレたと驚いたようにビクッとして苦笑いをして言う。
「リスカ...してるんだ。もしかして...死ぬ気じゃないよね?」
「ぅ...うん。正直死にたい。」
彼女は泣きそうな顔で僕に向かって吠える。
「ダメだよ!死んだらね..今までの思い出もこれからの人生も消えちゃうんだよ!」
他人のくせに...何言ってるんだろ。
苦しみも何も知らないのにな。
「うるさいな!もう僕に関わるなよ!」
少しカッとなってしまい言葉が重くなる、重なった声は僕を追い越し胸を抉り涙を映す。
「私が居るから...ずっと私が居るから!」
今伝わる鼓動は早まるだけで逃げていく早く外へ外へいかなきゃ!
「俺もう帰るから...!!今日はごめん。」
ブーブーブーブー着信ですブーブーブーブー
え...?電話か。こんな時間に?誰だ...?
携帯の画面をタッチして耳にかざす。
「静かにして」結衣の方を向き小声で囁く。
「...病院です。先ほどゆみさんがお亡くなりになりました。遅くなってすいません。連絡先が見つからず...一応心臓発作で...」
プープープ画面を再びタッチして電話を切る。
「もう嫌だ...もう嫌だ...嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ...死にたいよ」
一気に僕の胸は鼓動はどんどん早くなり明日を逃げ出そうとする。
「ねぇ、涙生くん...」
もういいよ...もういいよ...
「涙生くん?」
「ごめん、俺もう帰るから...さよなら」
どんどん体を循環していく血が一気に溢れ漏れていくように痛みが走る。
手の傷から血が流れだす。「痛い」部屋のドアを開け無我夢中にただ走った。

時は夜で月は綺麗だ、星が綺麗だ、こんな時間に浸っていることが日々の幸せ...。
「月は星は僕の支えだったんだ。」
明日になれば星は流れてくれるんだ。
せめて明日までは生きていよう...。
走り疲れ夜が来て月を眺め生きる取り柄を語る僕は住んでる場所から遠い隣町の公園でゆっくり睡眠を取った。
「明日の僕は今日よりも強くなろう。」

朝、起きるとそこは見覚えのある場所。
寝息といい匂いが入り交じり快適な空間がそこに実現される。
「リスタート」とでも言うのだろうか?
このまま自然に抜け出せたら楽なのに、はぁまた始まった...。
「涙生くん...涙生くん...」
聞こえる微かな声とギュッと握られる手目を開けベッドの横を見るそこには泥だらけの少女が涙のあとを頬に残したまま安らかに眠っている。
「案外可愛いんだな。」
一瞬感じた愛ような感情を僕は恥じた。
孤独で居なければいけいない僕を誰かが笑っているような感覚が襲いまた衝動が抑えきれなくなる。
「帰らなくちゃ」
突然と体を跳ね上げ結衣の手を払う。
自分に見合うものそれは孤独であり青い春でも煌めく夏の夜空でもない。
やっぱり僕は必要ないんだよ。
半分寝てる結衣に「ありがとう」と一言を告げ我が家に帰宅した。

「死のう」

自宅に帰ると家には誰もいない。
ポストの中には僕あての手紙とあの人への手紙。
電話には病院からの留守電が多数 そして僕の空っぽになった脳内に死が溢れる。
ほんの数日の出来事に酷く疲れ一睡する、そして星が降る時間にアラームをセットする。
準備は充分と心に決め目を閉じた。
「良い夢がみれるように」

「涙生...涙生...」
今度は結衣じゃない誰かが僕を呼ぶ。
枯れた声と急ぐような緊張感が混じり時間を無くなったそのものを合わしてくる。
「もう...しは...わ...たしの..分...」
声とノイズがラジオから聞こえる。
そうか、ここは夢かと実感するんだ、いきなり場所が変わり徐々に終へと繋がるのがわかるから。
「生..て...きて...お願い。」
「涙生、死んじゃだめ。私の子。捨ててごめんなさい、涙生...。」
2人だ。そこには聞き覚えがある声と知らない声だ。
1人はゆみさんだ。でも片方は...懐かしくて温もりがあってとても反省している。
「母さん?母さん!」

ポンポンポン・チンッ。...アラームが鳴る...南無阿弥陀仏ー...

目を開けると夢は覚め現実とおきょうと葬式のあれが流れていた。
しくった...アラーム間違えた。
残念な日だな、これが最後だというのに。
屋上へと歩きドアを開けると全開で歓迎してくれる星たちが輝いていた。

数分音楽をききながら星を眺め落ちてくるのを待っていた。
それはもう待った、1時間は待った。
だがそんな気配や落ちてくる様子はなかった。
やっぱり今日はダメだな...。
立ち上がり屋上のフェンスを抜けあと1歩で落ちるようなギリギリのとこに立つ。
「今までみんなありがとう...。」

涙生くん...涙生くん...!!

僕は何も考えず目を瞑り屋上から飛び降りた。

青く光る星が笑い、やっと僕を向かい入れてくれた。

「あなたには私が居るよ。」

伸ばされた運命が今ここで明日を生み出した。

悲しみの先に

この後、僕は病院で目を覚ました。
バカみたいなぶっちゃけた話、まさかね。
今日はもう疲れたよ、また今度話すね。

悲しみの先に

子供の時から苦しんだ人はいつか優しくなったりのちに凄く暴れ強くなるものなんです。 僕の人生や物語の人生をみたとしてもそれは同じ。 辿る道は違えど行き着く先はきっとそう。 望まれた道と不の道へと終着点は決まっているの。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-09

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