「銀の匙」-ばあちゃん

とてもきれいな、美しい物語だったよ。

誰かに紹介するならそう言いたい。


読んで、祖母を思い出した。
ちいさいころ、大好きだったばあちゃん。やさしくて、ここちよくて、本当に本当に大好きだった。
お母さんが迎えに来て、家に帰るよーって言われると、よくばあちゃんにしがみついて大泣きしたっけ。離れるのが嫌で嫌で。
幼いころの素直でわがままできれいな感情が思い出される。
今は、めんどくささとか、逃げる方法とかを知ってしまってもう昔みたいに素直にはいられない。

ごめんね、ばあちゃん。
ごめんね、ちいさいわたし。

でも、きたないことも知ったけど、他にもたくさんのことを知れたから。
好きになろうとすることはできる。
ちいさいころの感情を思い出すこともできる。

この本を読んでよかった。ありがとう。
わたしは、この本を読んできれいな感情を思い出せました。
これからも忘れないままがいいな。
忘れそうになったらまたこの本を読むよ。
物語は逃げない。
過去は過去だから。きれいな感情は、きれいなままだ。
だから、わすれないでね。未来の私。
このきれいな物語も。ちいさいわたしも。

今のわたしは、これから何をしよう?
とりあえず、ばあちゃんにもう少し優しくしてみようかな。
この本を読んだ後の優しい感情が薄れないうちに。
ばぁば孝行でもしておこうかな。

「銀の匙」-ばあちゃん

「銀の匙」-ばあちゃん

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-08

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