残雨

冷たい雨が頬を打つ
来るまで待ってる
警備員から盗んだ鍵
ひっそりと

雨の匂いに圧迫されて息苦しい
部屋の中なのに酷く冷える
靴に砂利が混じってる

濡れた感触
後に温もりに変わる


凍える頬
夕暮れ時に放った言葉は
あの人に届いているだろうか


あんな事言わなければ良かった

あれは…そう、最後の我儘
後戻りはできない
傘は要らない
もう濡れてしまった


もうこれ以上
時が過ぎないで欲しい


淡い期待を打ち消す雨が止むまでは

残雨

読んでくださりありがとうございました。

残雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted