写真の中のキミ
最後に君が僕に残した質問。
僕は今でもその答えを探している。
高校生のあの冬からずっと…
0.プロローグ
あの時、僕が弱かったら今より優しくなれたかな?
もう少し強かったら、見ていた景色は変わってたのかな?
あの時手を離したことを、今でも僕はわからないでいます。
高校生だった時の僕とキミ。
未完成な僕たちの短い小さな恋。
今でも答えられない質問を、最後に君が僕に残した。
僕は今でも、その答えを探しています。
1.今の僕とキミ
真っ白に色を変えた地面を、智昭はゆっくりと踏んだ。
後ろを振り返れば、智昭が歩いてきた道に大きな足跡が点々と残ってい る。
青かった空は、今はもう薄暗いオレンジ色の夕焼けへと変わっていた。
智昭は沈む太陽に背を向けて、落ちている小石をじっと見つめた。
「智、なにやってんだよ。置いてくぞ!」
少し先の曲がり角に立つ親友の祥太郎が、大きく手を降りながら智昭を呼んでいる。
智昭は小石から目を上げ、遠くで呼んでいる祥太郎に手を上げて合図を送った。
それを確認した祥太郎は角を曲がっていった。
写真の中のキミ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
このお話は、私の永遠とも言えるテーマです。