あなたは知っている

"これだ!"

と、思うとき。

"これに出逢うために 私は生きてきたんだ"
と思うとき。

世界はいたずらっぽく笑い
「これ、いいでしょう?」
「あなたはこれ好きだと思ってた」
「やっと見つけたね!」
なんて言ってくる。

見透かされてて ちょっと恥ずかしいような
解ってくれてて嬉しいんだけど
なら、もっと早く教えてよって言いたくなるような
あのくすぐったい感覚。


ケラケラ笑う世界の声が響く度
空の青は澄み
花のピンクがほころび
木々の緑が風を彩る、その輝きが増していく。
過去 現在 未来 すべてが肯定される。


本当だった。
本当だったのに。


あのとき肯定した未来の自分
今の自分がふと思い出すと
ただ、「あぁ そんなことも あったなぁ」。

いつ何処で誰の何が変わったのだろう。

それに代わるものがすぐ先にあるのだろうか。
またあの瞬間が来るのだろうか。
今日の空は 晴れていた。

あなたは知っている

はじめてです。これは自由詩っていうのかなぁ。

あなたは知っている

「これこそ自分が探していたものだ」と思えるものを見つけた時、世界がどんな風に見えるかを書きました。 自分のすべてが肯定されたように感じる。 でも 「これこそ」と、あの時は本気で信じたのにいつの間にか疑っている。 何も信じられないけど 信じずにはいられない。 青空を見ると信じてしまう。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-05

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