文学少女
物語は、叫びです。
作家の、叫びです。
だれだっけ、そんなことを教えてくれたのは。昔はわからなかった。でも今になって、分かるようになってきた。たぶん。
いや、昔は無意識に感じていたのだろう。その正体が今になってわかった感じ。
叫び
そう書くと、あんまりいい言葉には思えないかな。物語にあふれる『叫び』は悪い感情だけじゃなくて、いい感情もあると思うから。
『叫び』が聞こえるようになると、作家の人たちが急に人間らしく思えてくる。人の、弱さが感じられる。
夏目漱石も。太宰治も。芥川龍之介も。
教科書に載っている「すごい人」が急に人間になる。
わたしはこんな人だぞーって、こんなこと考えてるぞーって誰かに知ってほしかったんじゃないかな。いい感情も悪い感情も必死で伝えようとしている。
…なんて、勝手な私の考えだけれど。
それでも、人は誰かに理解してもらいたいと思ってしまうから。少なくとも私はそう。
全てを理解してもらうことなんて、絶対に無理。そんなのわかってる。しってる。
でも、わかってほしい。そう思うのは私だけ?
だからこそ、私は読まなくては。
『叫び』を、受け止めよう。
誰かの感情が迷子にならないように。
文学少女は、理解者だ。
理解しようとするものだ。
物語は、叫びです。
作家の、叫びです。
文学少女は、叫びを受け止めるものだ。
さあ、かかってこい物語。ぜんぶ、受け止めてやる!
文学少女