白旗を振る日

はたはたと、旗を振る日。

晴れ渡る空の下、それはひらひらと風にゆれた。ばたばたと、大きくなびいた。

「ありがとうございましたー」
薬局から出てきて、弟を待たしていた。

弟は、アウターの上に革ジャンを羽織り、無理やりファスナーを閉じて、だるだるのG.Uのスウェットを履いている。
なんだその格好。
初めて見たときは、頭にきた。きたので「全部脱げ!」と怒鳴ったが、弟は聞かなかった。

だって寒いから。
だってってお前、普通の恰好をしろよ、と思う。頼むから。

弟が気に入りそうなブランド物のルームウェア上下を選び、パソコンの前でアイフォーンのアプリにて計算をする。
今月2万1千円也。いける。

私はついでに積もり積もった古い本をブックオフにすべて出してしまい、新しい本を迎えるべくせどり本100冊を2000円にて購入した。
kindleは、売りに出してよかった。
あれは余計な買い物をする手段だ。本はやっぱり紙でないと。替えも効くし。

私は弟が、パソコンとアイフォーンを「充電させて」と言って繋げると、こっそりブルータスを繋げてきて写真などアクセスしてきたので、それとなく許してやった。
変な知恵だけはついてる。
それから弟が幸せな私の日々を見て、くすくすと笑うのが大変気に入った。

だからこれから私は、幸せになることを決意した。
なるべく写真を残す。
文章を書く。それらしい幸せな日々の文章を。上向きに水面下から太陽に向かって浮上していくような、そんな文章を書くことを、今誓った。

弟が薬を隠して飲まなかった。
それはショックなことだったし、何故見破れなかったかとチッと舌打ちしたくなった。
変な知恵だけはついているから困る。
祖母がヒステリックに叫ぶのが嫌でたまらない。頼むから静かに対応してくれ。

犬の寝顔を、父の煙草を、母の買い物姿を、祖母の花を、従姉妹達の笑顔を、新しい命の育つ様を。

私達の夕焼けを。行く旅路で見るうろこ雲の空を。コーヒーの空き缶を。

なるべく残す。そう決めた。
私は幸せに生きる。
だから白旗を世界に向かって振り続ける。

降参こうさーん、あなた達に手は出しません!
だからそーっとしといて、くださーいな♪

なーんてな。

歌ってみてからははんと思う、冬の始まりの日。
ストーブに火が入る。

家族に尽くす一生になるだろう。
それだけは、覚悟してる。
私は皆がしていたものを、今更するようで、若干恐縮です。

遅いよな。でも間に合ったよな。
みーんな、あなた達にあげよう。

血も肉も骨でさえも、何もかもあげよう。
私の全てをあげましょう。

あなた達の笑顔だけを望みます。
そう書いて、今日はもう終わり。

兄に送るお歳暮を考えている。
そんな夜の時間。

白旗を振る日

こんな感じです。

白旗を振る日

とりあえず、頑張ってみま醤油。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
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  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-11-01

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