手紙

これは語らいと小さな物語

振り向く勇気

僕が今言うこと明日明後日

この世界にはたくさんの命が生まれ
運命という名の繋で回っている

大事なことは一つだけ愛すること
やるべき事は一つだけ守り抜くこと
それと反対に
大事じゃないことは愛さぬこと
やってはいけないことは逃げ出すこと

目に見えないものそれは感情
目に見えるものそれは姿、形
伝わるものは声や思い、感覚

人間というものはなんて物入りが良いんだろう...。

むかしむかしのあるところにそれは大層美しい姫君が学校という教育施設というものに通っていたようで大変賑やかで楽しい日常だったそうです。

「ねぇ、それ新しいやつー?」
「いいね!それ!頂戴!?」
「ダメ。これはお父さんからもらったもので...」
「あれ?またやられたいの?」
「今度は痣できちゃうかもね笑」
一同...クラスのみんなは笑う。
(いじめか...)
お姫様はその学校という場所でイジメというものにあっているそうで仲間も居ない友達居ない「先生っ助けて!」この通り先生さえも立場を気にし見ないふり。
大変な物さえも壊され盗まれそのあげく自分の体操着や制服が次々と切り裂かれていく。
「もう...辞めて...」
いくら泣いても届かない悲鳴は僕の胸までは届きはしない。(俺はイジメられたくない...)
「次はどうしよっかなー」
「裸にさせて写メ撮ろうよ」
一同はお姫様の服を脱がし始める。
「やめてっ!!やめてってば!」
届かない...届かない...もう嫌だよ...
お姫様は嘆きました。死を決意しました。
誰も救いもなく自分だけこんな酷いこと...もういい...死んでやるこんなの。
「お前ら待てよ」(つい言葉に出てしまった)
「んー?どうした星羅、なんか言いたい事あんのか?」
「星羅...くん?」
「え...えとそういうの良くないよ。」(僕の声にみんなは耳を貸し僕を見つめ始める...こうなるよね)
「何?まさかお前こいつのこと好きなの?」
「あんたこんなブスのこと好きなんだーありえない笑」
「あんたもやられたいの?笑笑」
突然声をあげた少年はなんということでしょうか言葉の迫力もない見た目からして弱そう何より戸惑っています。
「お前らそんなことして楽しいのかよ...そんなんダメだと思うよ!!(言うとこまで言おう)そいつだってやめろって言ってるし可哀想だろ。このクソ共!!」(言ってやった...終わった。明日からはもう...)
「星羅くん...ありがと...」
勇気を出した少年も逃げたくなる鼓動が早まる。
脳から司令が来るよりも血が指の先まで行き届くよりも早く少年はお姫様の方へ向かい走る。
文房具や暴言を投げつけられ水筒の中身もすべて少年目掛けて飛んで来る。
(もう無理だ...なんでこんなこと)
囲まれるお姫様に無我夢中に突進をし無理やり手を繋ぎクラスから出る。
「お前逃げんのか!」
「早く死ねよ!偽善者め!」
一歩づつの重みが増して行くでも守る意思が増して行く。
学校を抜け出し上履きのまま近くの公園まで泣きながら走った。
「ごめん...」
「えっ?いや大丈夫だよ?ありがとね、こんな私を助けてくれて」
「でも...いつも見てるだけで何も...」
「私...あのとき思ったんだ。死んでやるってね。でも星羅くんが助けてくれたからちょっと元気でたかも」
「僕はそんな...ていうか君はもう転校した方がいいよ。親にもちゃんと言って僕からも言っておくから」
「そ、そうだね...でも星羅くんは...?」
「俺はのちのち考えておくよ...」
少年とお姫様は学校から抜けたあと数時間...日が暮れるまで話し街を巡り笑い一日を過ごした。
「今日はありがとね星羅くん!」
「うん!僕ももう帰るね!ばいばい!」
「ばいばい!」
見慣れた街狭い歩道すれ違う2人そして鳴る赤信号の音にスリップ音グシャっと何かを吹き飛ばす音が聞こえお姫様は振り向く...。
「星羅く...ん」
少年は笑った。アッパレだった。
最後は君と過ごせたんだからと笑った。
救えたんだと最高に微笑んだだ。
運は味方してくれたようだったまるで黒猫が横切るかのようにまるで少年の運命がここで終わりだったかのように...。

そして、お姫様は真逆に泣いた。
大事なもの失ったように泣いたんだ。
逃げ出したことに後悔したこと大事なものを守れなかったこと。
たった一瞬でも手を繋げた温もりと命をかけてくれたこと。
きっと忘れない思い出がここにあるということ。
「君が笑えば僕の世界は彩り始めるのさ」
「貴方が笑えば私の世界は煌めき始めるのさ」
「赤い太陽となり」「輝く月となり」
「僕らはきっとつかず離れず見つめ合う」
「それだけの運命だったんだね」

僕の今言うこと明日明後日君はきっと思い出してはくれないだろう。
でも刻んだ僕の運命は多分君を幸せにしそして振り返り今度は笑い「ありがとう」と言ってくれるのだろう。

そう信じたいです。

またいつか会いましょう

Message:星羅輝月より

今じゃ電子でできる手紙のやり取り
それは昔だと日にちを重ねたり
脆く読みづらいものだったり
届かないものや遺書のようなもの
そういうものだったんだろう

告白のラブレターや年賀状は勇気がいる。
ただそれでも書き郵便受けへと入れる
これだけの勇気でも運命を変えることができるんです。

一つの勇気はひとつのきっかけがあって
繋がる恋は一つの勇気があって
届ける決意は一つの楽しみがある

時に人は死を選ぶ 時に人は死で変わる
時に人は死に怯え 時に人は死に後悔する

人が死ぬことによって人は命の大切さを学び優しく成長をする
だがそうすることにより人は悲しむ
僕や家族や思ってもいない人
あなたは運命で繋がる限りの中
死ぬことによって地獄を生むのです

これからの人生は勇気を振り絞り
一歩一歩重みが増す力にまけず
今見える限りの将来へ突き進んでください

手紙

自分に勇気があったならまだこの先の運命はあったのかな。

手紙

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-27

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