#fbca4d

なんだかんだ永い時を共に過ごしてきた
気がしただけだった
せいぜい瞬く星を見ることも出来ないほど
短く身近で本にすれば薄っぺらな
そんなこと考えたらなんだか
しょうもなくて笑えてきた

でも今日を今日で今日が過ぎてく当然の事の
その隙間に差し込まれた君が
僕にはなんだか嬉しくて
不思議な力が働くことなく過ぎる
日々のそのど真ん中に
居座る君は穏やかに

微笑んだ暗闇の中
はしゃぎながら何処かへ消えてった
踏み出した僕の歩みが
行き場を失って彷徨った
飛び出したその痛みが
水飛沫をあげて飛び散った
そんな僕らは今この世界で


いつも僕は君のことを
あーとかこーとか言うけれど
実は本当は全く以ってもう
何にも知ったりしてないよ

あっちもこっちもそっちもどっちも
にっちもさっちもいかなくて
ちゃちな立地のお家でぼっちが
マッチとマッチで火をつける

もう秋か既に厭きて空いたどうしようもない心を
埋めるのは紛れもなくこの日々で
僕にはなんだか哀しくて
星なんて「わー綺麗」ほんですぐに厭きるだろう
僕が欲しいのはそれじゃなくて
まだ厭きない僕の隣は

立ち向かった世界の波に
呑まれることなく笑ってた
腐りきったこの哀しみは
代わりに誰かが奪っていった
振り向いた君の向こうで
何かが光って弾け飛んだ
そんな僕らが今この世界で


縋るだけ縋っていこう
掴めなくなったら離そう
まあいっかこんな人生
ロクな物語じゃないから
ひとつだけ放さずにいよう
そしていつか君に話そう
終わりを告げる君が笑えるような
ありったけの僕を

面倒くさいしつまらないと思っていたら
それは僕だった
更に言えば気持ち悪いしすぐ嘘吐くし
その癖我儘自分大好きで
そんなこと考えたらなんだか
しょうもなくて笑えてきた

でも嘘を嘘に嘘で固めた本当の姿は
一体全体どうなってんだ
僕自身一番気になってんだ
「あれもだよ」
「これもだよ」
なんて君が言う約束を果たすって真に受けた僕は
たまに高鳴るこの鼓動は

うちのめされた空の青さに
堕ちていくような気がしたんだ
僕の記憶が消えないように
世界は今日を晴れにした
手を伸ばした先に何かが
あって掴めるような気がしたんだ
それでも僕はそれでも僕で


隣の君が愁いを帯びた
そんな姿がとても愛しかった
積み重ねた君の叫びが
僕に届いた気がしたんだ
それでも君は終わらせないように
眠らないようにと錯誤した
こんな世界を今も僕らで


ずいぶんだらだら紡いできたような
そんな気がしただけなんだ
どうせなら仲良くもう
厭きるまでどうか繋いでいこう

#fbca4d

#fbca4d

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-24

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