未来の君へ
8月6日、男児出産
未来の君へ
初めまして
よく来てくれたね
ずっとずっと私は君に会いたかった
本当に色んなことをした
色んなサプリメントを飲んだ
どこも悪くないのに病院に通った
居るかどうかわからない神さまに祈った
‥‥そして自分を責めた
知ってるかな
実はね、もうあきらめることを決めてたんだ
決めてた
そう思うことで自分を保とうとしてた
辛かったんだ
パパとケンカしてしまうことも
友だちに会うことも
‥‥外を歩くことも
だけど、君が私の中に来てくれた
びっくりしたよ
びっくりした
嬉しかった
でも実は戸惑ったんだ
あきらめることを決めてたから
そしてね、本当は怖かったんだ
私という人間が
君という人間に
何をしてあげられるか分からなかったから
正直に言うとね
実は今も分からない
私の両親は真面目で勤勉だったから
不自由なく私を育ててくれた
同じようにしてあげられる自信なんてない
貯金もないし
若くもない
だから兄妹を作ってあげられるかも分からない
私がしてもらった『幸せ』を君にしてあげられるかわからない
けれどこれだけは約束する
1日に1回は必ず抱きしめてあげるよ
君が大きくなって、嫌がるまでね
いや、嫌がっても続けるかもしれない
それはね
私は君が大好きだよ、って意味なんだ
人は1人で生きていくものだから
寒くて寂しい時もあるだろうけれど
眠れない夜は思い出してね
君は1人じゃない、って事を
君は確かに愛されていたと言うことを
それが不器用で情けない私ができる
精一杯の君への愛情表現
大人になると忘れてしまうかもしれないけれど
できるだけ覚えていてね
まぶたを閉じて
眠りについて
そして次の日を迎えるんだ
君には未来がある
たくさんの岐路がある
その中から一つの道を選んでゆくんだ
後ろを振り向いちゃいけない
立ちすくんでしまうから
それでも振り向いてしまった時は思い出して
私がいた事を
君がどんな人になっても
私は君を愛しているよ
君が嫌がっても
そんなの関係ない
もし君がいけない事をしてしまったら
私が怒ってあげる
誰よりも厳しく
二度と君が繰り返さないように
そしてまた抱きしめてあげる
それでも君を愛しているよ、と伝える代わりに
私の腕の中にいる君へ
これはママからのお手紙
愛しい君へのメッセージ
何もできないだろう私が
これから未来に歩いてゆく君に残せる贈り物
愛しているよ、と伝える代わりに
ぎゅっと抱きしめてあげる
未来の君へ