何もないから生まれる

日々は過ぎていくけれど。

ふつふつと湧く、この気持ちは。

誰かに惹かれたり、何かに憧れたり、夢を見たり。

私達は日々創作活動をしながら生きていると言ってもいいのかもしれない。

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今日もお日柄もよく、洗濯物がよく乾く。
地震があった。とうとう危ないらしい。

神様が見ているなら、「今を大切に」とメッセージを送っているに違いない。
私はほんの少し帯を締めなおすことにした。
甘っちょろい夢を見るのはお終い。

そろそろ本格的に向かわなければ。

玉置浩二のメロディー2014を聴いている。

「あの頃は何もなかった ただ僕ら笑っていた」

そういうところに、この人の辿ってきた時間だとか、昔の日があったことを思う。
何もなくても、誰かの笑い声があるだけで楽しかった。

それは私も同じ。

同じ悲しみの船に乗って、喜びを探して揺蕩っている。
どうしたら浜に着けるのか考えている。

いつかは大丈夫になりたくて、どうしようもないのかな、と笑いかけて、大判焼など食べながらこたつで座って船の行き先を見ている。
いつか誰かから抜けていくだろう。

いつか誰もが戻って来なくなって、寂しい日が来るだろう。

それでも、日々の彩はあって、私の五感は鋭くて、絵を見るみたいにこの家を見回す。

階段、メダカの踊る窓際、日差しの輝き、虹色の玄関。
漆黒のタイル、磨くともっと黒く輝く。黒曜石のよう。

お日様の光、ベランダの日差し。いつも香るどこかからの夕餉。

一人部屋で聞く音楽。しんしんと始める読書。

昼間楽しかったことを思い出しては、夜につましい文など書いている今を思う。
この身の来し方を考え、どうにもならないのかもなあ、いや、もうどうにかなっているのかもなあ、みんな同じなのかもなあ、と考えて、犬を抱き寄せる。

可愛いこの子とよく似たあの子が、床の上で私を見ている。斜め45度。ありきたりな表現だろうか。
こたつの辺りにいて、こちらを見ている。
愛おしい人を待つ犬の可愛らしい笑顔で見ている。
だから寂しくない。

精神性を養うこと。諦めたくはない。

自分の世界と言うのか、常に五感を磨きたい。感性の枝を生やしたい。
あるいは天へ、繋がっているのかもしれない。今ここにいるということも。

皆、呼ばれるのを待っているだけなのか。

それならじたばたしてはいけない。綺麗に生きることを心掛ける。
純粋な発露、霧の発生、山から立つ煙。

神様がいるんだよ、違うよ雲だよ、雲が立ってるんだよ、そんな喧嘩をした幼き日。

あの頃は、皆が神様がいると思っていた。そんな風に世界は美しかった。

そんな世界でもいいのかもしれない。
山の神聖さを思いながら、でもこの世には人間と、動物と植物と魚しかいなくて、後は皆自然なのだということを考える。

神様が怒ったなら、こないだのあれかな。
そんなことを考える。

だったら、じたばたしない。日々を楽しもう。
ピッとテレビを点けて、お茶を皆で飲む。

こんな日すら来ないのかもな、そう思ってしまえた日を懐かしく思う。
家族の形は完全ではない。
でも夜に家にいてくれないのは、少し寂しい。
そんな風に思う。

もう大人だよ。お茶を飲みながら、好きなサイトを見て遊ぶここにオタクが一名。夜の楽しみはこれからなのだ。

そんなことを思いながら、パソコンを弄った。

何もないから生まれる

しんしんと思います。

何もないから生まれる

炬燵に座って、いつか皆でゆっくりしたい。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-22

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