少女達の戦い
プロローグ
ザシュッと肉が裂ける音がすると同時にドサッと人が倒れる音。この音はいつ聞いても苦手だな、と思いながら目の前にいるいくつもの敵に向けて私、涼乃宮 優希は愛用のダガーを投げて前に突っ走りながらザクザクと倒していく。ハァ・・とあらかた片付いた後、思わずため息をつくと同時に自分の通信機に連絡が入る。
「はい、こちら零番隊。ごよ・・」
『やあやあ!ゆっきー!ため息ついたって幸せが逃げるだけで何も変わらないよ~?』
「…うるさいです。隊長。何かあったんですか?隊長から通信が入るなんて」
出て見ると普段あまりじゃない限り通信してこない我が隊長の北雪 桜からの通信だった。何故かこの女性北雪 桜、もといい隊長は何故か私のことをたまにだがゆっきーと呼ぶ。はっきり言って気持ち悪いのでやめて欲しい。それはまあ置いといて隊長から通信なんて滅多にない。あるとしたら……。
『えー?そうかなー?まぁでも結構使ってないかー』
「いや、結構どころか全然使ってないですよ隊長」
『まじか!ああ!そうだ、忘れてた!何か潜入班が敵ちゃんのサブ基地見つけてそれがここらへんだから、うちら二人で行ってこいって!』
「やっぱりですか……」
そうだ、隊長から通信が来るときは基本これだ。上司や周りから毛嫌いされてる私達に下される指令。またの名は“嫌がらせ”だ。
「もういい加減上司達も諦めてくれませんかね……」
こういう無茶な指令、もといい“嫌がらせ”もういい加減に諦めて欲しいものだ。私達はこの嫌がらせを何度も受けていたせいかいつの間にか化け物並みに強くなってしまったため嫌がらせが嫌がらせじゃなくなっている。だがそれが上司はもっと気にくわないのか以前よりも無茶な嫌がらせをしてくる。
『気持ちはわかるけどねー何回も軍の会議で訴えてんだけどさぁー』
「……隊長って意外と変な勇気ありますね」
『それ褒めてるのかな?』
「褒めてます。一応」
『一応!?』
この隊長はたまに自分にはよくわからない行動をする。まぁ、それが隊長の良いとこなのだが。
「まぁ、とりあえずさっさとそれ終わらせますよ」
『そうだね!』
「作戦は?」
『とりあえず敵を倒せ!』
「了解です」
『じゃあ…零番隊。レディゴー!』
「ゴー」
‐これは少女二人だけの零番隊の物語‐
少女達の戦い