コレクション

 一体コレクターはどんなものを集めているのか。妻と一緒に数えたらすぐにこれだけ集まった。ビー玉、めんこ、ベーゴマ、ミニカー、キャラメルの景品、ビックリマンカード、シール、消しゴム、マッチ箱、マッチ箱のシール、こけし、ぬいぐるみ、フィギュア、石、流木、昆虫、貝殻、熱帯魚、爬虫類、多肉植物、切手、古銭、レコード盤、古書、靴、時計、サングラス、宝石、刀、鍔、絵画、骨董、エトセトラ。探せば他にもっとありそうだ。また時代と共に増えていくだろう。
項目からコレクターの年齢、性別、環境、暮らしぶり、年代、などを推測できるのも面白い。妻や息子達がむかし集めた宝物も数えた中に隠れている。孫は動物の可愛いぬいぐるみを沢山もっているから、やがてコレクターになっていくだろうか。           
 私は子供の時に木の皮を集めた。母から頼まれて毎日薪割りをしているうちに、木の種類によって樹皮の色艶が異なる事に興味を持った。乾燥した木は樹皮が剥がれやすい。樹皮の外面と内面にも違いがある。外側はゴツゴツ、ザラザラでも内側は滑らかで美しいものや、外側は綺麗でも内側は蝕んだものなどがあった。子供の時は考えなかったが、大人になって、人も同じだなと思った。それらの樹皮の中からあれやこれやと見ながら選別し、気にいった樹皮は様々な大きさに整えた。めったに見ることのない白樺があると大喜びだった。そして同時に、固まった松ヤニ、杉ヤニも何かに使えないかと思って集め、誰にも見つからないように大事に隠しておいた。母と弟だけは私のコレクションを知っていた。母は得意げな私の話をにこにこして聞いてくれたが、弟は関心を示さなかった。そのころ弟は釘で家の前の道路に剣豪やガンマンの漫画を描くのに夢中だった。他の子が意地悪して消すと弟は絵をもとに直してさらにストーリーを描き続けていった。私が近づくと一生懸命その絵の説明をしてくれたが、いつも勧善懲悪物語だった。もし白いノートがあったら弟の自作コレクションが何冊もたまっていったはずだ。小遣いが貰えない状況だったから、他の子のようにビー玉、めんこを集める事はなかなか出来なかったが、私も弟も独自の遊びで満足していた。
 コレクターは集める物は違っても、それを宝物のように大切にする。しかし、時として自分には宝であっても、他人にはゴミとしか見えないことがある。あなたのコレクションはなんですか? 迷惑なものでなければいいですが・・・。
2016年10月15日

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