アンデルセン童話をエロくしてみた~マッチ売りの娼婦~
以前、別サイト、別名で投稿した作品です。僕はマッチ売りの少女が嫌いです。理由は何の努力もせず、商売人が死ぬ話だからです(まあ、個人的解釈ですが)。現在、サービス業に従事しているからか、商売人だったら商品に手をつけるな!売る方法を考えないから死んでしまうんだ!と頭の中で突っ込みを入れていたら、いつの間にか出来上がっていた作品です。
昔、昔、雪が積もった夜。マッチを売る娼婦となった少女がいました。
服も下着も剥ぎ取られたのに寒くはなくむしろほってているくらいでした。身体とその体内は受け止めた男の精液で汚れに汚れ、父がわからぬ子を孕んでもおかしくはない状態です。
人気のない薄暗い路地で嬲られる少女。膣で口で、そして両手を使い男達の吐き出す白い欲望を満たしていくのです。
誰とも知らぬ男が少女の中に射精すると、次に待っていた男の肉棒が膣内に滑りこんできます。
「っん!」
淡く喘ぐ少女に快楽さえも与える暇も無く、男は腰を振り少女の身体を自分の性器で味わうのでした。
「楽しませて貰ったよ。じゃあ金はここでいいんだな」
前に相手していた男は茶色い婦人物のブーツに金貨を入れました。
「おっと忘れるところだった。マッチも貰ってくぜ!」
男はカゴに入ったマッチを一つ持っていきます。
「あ、ん、ありがと、ああん、ございます」
お客様を見送るとすぐにくわえていた男精器に口を戻すと、顔に精液がかけられました。手でしごいていた男が射精したのです。
その男もブーツに金貨を入れると、おまけのようにカゴからマッチを持っていくのです。
そう身体ひとつで男を射精に導けばマッチが金貨で売れるという、奇妙なシステムがこの暗い路地裏で出来上がっていたのです。
少女を取り囲む男達。
(ああ、あんなにもお客様が待っている)
目に映るのは沢山のいきり起つ男精器。
(もっと頑張らなきゃ、頑張ってマッチを売らなきゃ)
その日は雪が降る身も凍えるような寒い夜でした。しかし、寒波と暗闇を跳ね返す程の明るさと温かさで、街は賑わっています。何故なら今夜は大晦日、騒がずにはいられないありがたい日だからです。街中の家やレストランからは肉や魚を焼く美味しそうな香を漂わせ、往来を行く人々は恋人、家族、友人と新しい年が来る喜びに満ちた嬉しいそうな表情をしているのでした。
「あ、あの………」
みすぼしい少女が一人、幸せが絶頂の人々に混じっていました。雪が降っているのに何も被らず、金髪の頭と顔を夜風に晒し、着ている服は継ぎ接ぎだらけの白い服とスカートで、寒さをしのぐのは赤いケープくらいでした。しかも靴は小柄な少女には不釣り合いな程大きい婦人物、片方は突然走ってきた馬車を避けた時に失くしてしまい、素足は赤くその指先は青くなってきていました。
そして片手に抱えるカゴには沢山のマッチが詰まれていたのです。
「マッチいりませんか?」
往来の人々に手当たり次第声をかけますが、誰も見向きもしません。
「一個だけでも良いんです。マッチ買って下さい」
しかし誰も少女が売るマッチを買おうともせず、時折訝しい目を向けられる始末です。まさに悲惨と不幸を絵に描いたような少女でした。
「あの………」
少女が声の声にシルクハットを被り、凛々しい髭を生やした紳士が目を向けたのです。
「何か御用かな?」
「マッチ買ってくれませんか?」
「ふむ、懐かしいな。プラム製のマッチじゃないか、数年前まではよく愛用した記憶がある」
「あの、一つでも良いんです。マッチ買って下さい」
「それを私が買って何か得はあるのかい?正直、プラムマッチの代わりなんていくらでもある。なんの変哲もないマッチなんだよ」
紳士の一言に少女の瞳は大きく左右に揺れ動くだけで、返す答えが全然出て来ないのです。少女はタンスの中を探しました。そう言葉という衣類をしまった、ボキャブラリーという、頭の中のタンスですが、目の前の紳士に見合う美しく綺麗で、洒落の効いた物が見つからないのです。
「あの、その、マッチ買って下さい」
漸く出た言葉がそれだったのです。しかも声のトーンは幾分小さくなってしまいます。
「壊れたレコードに物は売れない。出来る事は人を苛立たせる事と、呆れさせる事だけだ!」
そう言って立ち止まってくれた紳士も立ち去って行くのでした。
「あ、ああ、マッチ」
紳士は少女に見向きもせず、雪の降る街の明かりの中に溶け込んでいき、少女はまるで闇の中に取り残されたような心持ちになり、雪の上に膝を落とし涙を流すのです。
体内で鳴く虫は空腹の証、それを嘲笑かのようにビーフやターキーにスパイスを効かせて焼く香りが、少女の鼻をくすぐるのです。
ふと見ると通りの反対側にあるレストランがあり、ふらふらと誘われて行きました。レストランの窓に張り付き中を覗くと、窓の向こうあった世界は一本もマッチの売れない彼女にとってどんなに望み、手を伸ばしても、皿の上に盛られたターキーの丸焼きを、味わうい、家族との団欒を楽しむ事の出来ない、まるで映画にスクリーンの向こう側のような世界でした。
ただお金が無いだけであっちとこっちはあんなにも違う。
ターキーを囲み楽しそうに食事をしていたのはある一家でしょうか、父と母、同い年位で赤毛に、綺麗なドレスを着た女の子、そしてその子の隣では、彼女のおばあちゃんが優しく微笑みかけているのです。
その光景を見て少女の頬に涙が伝います。ターキーが美味しそうで羨ましかったからでも、マッチが売れないからでもありません。ただ懐かしかったからです。
そうマッチ売の少女もかつては窓の向こうの住人だったのです。
「チェルシー、いいかい?」
「なあに、おばあちゃん?」
暖炉の前のソファーに一緒にくつろぐおばあちゃんは幼い女の子の孫、チェルシーに優しく語りかけます。
「人間はね。どんなに苦しんでもいいし、悲しんでもかまわない。でも、考える事を止めてはいけないの」
「また、その話。私聞き飽きたわ」
暖炉の炎とおばあちゃんの温かさが、眠気を誘いチェルシーは大きく欠伸をする。
「悩むなとは言わない。でも、悩む暇があるなら考えなさい。考えて考えて考え抜いた答なら100人が間違いと言っても、それは正解なの」
「ふーん」
チェルシーはつまらなさそうに揺らめく暖炉の炎を見つめるのです。
「それより、おばあちゃん、何かお伽話を聞かせてよ!」
「良いわよ。なにがいい?」
「雪の女王!」
「チェルシーはその話が好きね。昔、昔あるところに………」
チェルシーはおばあちゃんのお伽話が終わる前にいつの間にか眠ってしまいました。
いつまでもこの幸せな時が続くと思っていました。
いつまでもおばあちゃんは優しい声で、お伽話を聞かせてくれると信じてました。
けど、今年の冬が終わりまた次の冬が来て、再び暖炉に火を燈した頃には暖炉の前のソファーに座っていたのはチェルシーだけでした。そうチェルシーの大好きなおばあちゃんは春が来ると共に病で亡くなってしまったのです。
突如訪れたおばあちゃんとの永遠の別れに、チェルシーは悲しみは不思議と湧かず、正直呆気に取られた心持ちでした。
おばあちゃんの死後、急にお父さんは仕事が忙しくなったらしく、あまり相手にしてくれませんし、お母さんもこの頃、体調が悪いのか自室に篭りがち、たくさんいた仲良くしてくれたメイドさんもどういう訳か、一人また一人とお屋敷から去り食事も日に日に質素になっていきました。
何か物足りない毎日を送っていたある日、学校から帰って来ると自分の家である大きなお屋敷から、家具や美術品が大勢の男達の手によって運び出されていたのです。
引っ越しでもするのかな、そんな呑気に考えているチェルシーでしたが、門の前で座り込み泣きじゃくるお母さんを見て、事の異様さに気付いたのです。
「お母さん、何があったの?」
チェルシーはお母さんに駆け寄り聞きました。
「お父さんさんが………お父さんが………」
お母さんはチェルシーを抱きしめそれしか言いません。
そうしている内にチェルシーの慣れ親しみのある家の物は荷馬車に詰まれて行くのです。
「ああ、待って、そのお人形さんは………」
チェルシーはお母さんの手を離れ、女の子の人形を運ぶ男に駆け寄ろうとしましが、お母さんは何故かチェルシーの手を掴み止めてしまいます。
「チェルシー、仕方が無いの、もう」
「離してお母さん、あれはおばあちゃんがくれた大切なお人形さんなの!」
荷馬車に積まれたら、大好きだったおばあちゃんまで奪われてしまいそうで、しかし無情にもお母さんの手に阻まれて、お人形さんも、家具や美術品、いいえ住んでいたお屋敷そのものが自分の物ではなくなったのです。
そうお父さんはお仕事に失敗してしまったのです。おばあちゃんとおじいちゃんが立ち上げ、大きくしたプラムマッチ工業という会社は、莫大な借金とマッチだけを残しこの世の中から消えてしまったのです。
その後、お母さんが首を吊って自殺したのは一年後の事でした。
「お嬢さん、そんな所で何をしているのかな?」
一家団欒の光景を懐かしみながら眺めていたチェルシーに声をかける男がいました。
黒縁眼鏡をかけ綺麗でパリっとした黒いスーツに身を包んだ男が仮面のような笑いをチェルシーに向け立っているのです。
「あの、マッチ買って下さい」
「ここで商売されてもお客様の迷惑になります。お引き取り願えませんか?」
どうやら綺麗なスーツを着た男はこのレストランの支配人のようでした。
「あの、マッチを………」
「お嬢さん、ここで商売をされてもお客様の迷惑になります。お引き取り願えませんか?」
まるで彫刻のような笑みでした。支配人は笑顔でかつ視線は針で刺すようにチェルシーを睨みつけるのです。
「あの、マッ………」
「お嬢さん、ここで商売をされてもお客様のご迷惑になります。お引き取り願えませんかッ!」
堪らず目をレストランの中に向けると、さっきの一家が揃ってチェルシーに冷たい眼差しで見ているのです。チェルシーは夜空に覆いかぶさる寒波よりも、強い悪寒に襲われました。
まるで自分が団欒を覗き良い雰囲気をぶち壊した、醜いゴブリンになった心持ちになったのです。チェルシーは急に恥ずかしくなり、その場から逃げ出し暗く人気の無い路上へと入って行きました。
「売れないよ………マッチなんて」
ついにチェルシーはその場で泣き崩れてしまいます。
いっその事、マッチなんて投げ出して家に帰ろうかと思いました。雨漏りと隙間風が酷く、まったく落ち着かない小汚い家に、外よりは寒さを凌げるでしょうが、マッチを全て売らなければお父さんに殴られたり蹴られたりされるるに決まっています。お父さんから“マッチを全部売って来い!”と命令されたからです。
「せめて、マッチで………」
チェルシーはカゴの中のマッチを一つだけ取りだし、火を点けようとしました。僅かな暖でもとろうとしたのです。おばあちゃんが残し我が家、唯一の財産であるプラムのマッチ。それに火を灯せば、あの温かかった日々に戻れるような気がして………。
「おばあちゃん、お母さん、私もそっちに行きたいよ」
二人がいるお空の上を見上げると、雲と雲の隙間から一筋の流れ星が瞬きました。“ああ、私もお星様になるんだ”
そう思いながらチェルシーがマッチを箱のやすりの部分に付け、擦ろうとした時、チェルシーの手がピタリと止まりました。まるでチェルシーの腕を誰か見えない者が掴んだように“本当にこのマッチを使ってもいいのかしら………”と、不意にチェルシーの頭にそんな疑念が浮かび上がるのです。そうして思い出しました、おばあちゃんの言葉を“人間はね。どんなに苦しんでもいいし、悲しんでもかまわない。でも、考える事を止めてはいけないの”
そうおばあちゃんがよく言っていたあの言葉です。
「私はマッチ売り………マッチを売らなきゃ………でも、どうやったら売れるの」
チェルシーはもう嘆く者の瞳をしていません。考える者の目をしていたのです。
脳内を巡る思考という名のエネルギーは細胞を一つ一つ刺激していき、この寒くて不幸な状況を打破するための方法を探っていき、そうしてある答えに辿りついたと同時に、チェルシーの全身に鳥肌がたち、足元から脳天へナメクジが粘液を残しはっていくような気持ち悪く、怖気が走ったのです。
“止めて、お父さん”
“五月蝿い、誰のお陰で生活できてると思ってるんだッ!”
“痛いッ!”
“まったく、ガキのくせに綺麗な肌をしやがって”
“な、なんで服を脱ぐのお父さん?”
“………”
“嫌だそんな所、触らないで………いやあ、舐めないで”
“はあ、はあ、はあ”
“そ、そんなとこ、止めて、止めてえええええええええええええッ!”
吐き気を催すような漆黒の記憶、しかしチェルシーはその嫌な感覚を振り払い、もうこの方法しかないと覚悟を決めたのです。マッチが売れないなら他に売れる物を付ければいい。もう、彼女にあるものはカゴのマッチと己の身体だけだったのです。
幸か不幸かチェルシーは既に買い手の喜ばせ方を無理矢理、教え込まれていたのです。
そう、我が父親から。
チェルシーは身を寄せていた暗い路地と大通りの境界に立ち、行き交う人々の顔を見比べていき、マッチを買ってくれそうな人を見定めるのです。
通りかかった若い男三人組に目を付け声を掛けました。
「あの、マッチいりませんか?」
若い男達は立ち止まりチェルシーを一瞥しますが、マッチなどどうでもよさそうな怪訝な顔を向けます。
「もし、マッチを買ってくれたら」
チェルシーはスカートを掴みたくし上げました。
「私を好きにしても結構です」
若い男達は露わになったチェルシーの陰部に釘付けになっていました。
男達と共に路地裏の一番奥に着いた途端、チェルシーの衣類は上着も下着も全て男達に脱がされて、六本の手がチェルシーの体中を這うように弄ぶのです。乳首を摘まれたとき「んっ!」という儚い喘ぎ声が漏れ、男達の興奮を余計に高ぶらせるのでした。
乳房を揉まれ、小さな口の中で男の唾液と混ざり合い、下の果実は剥かれてしまいます。
「いやああああ」
覚悟をしたとはいえ赤面してしまうチェルシー。しかしチェルシーの果実を剥いた男は、チェルシーの膣に指を入れるとニヤニヤと笑い「恥ずかしがってるんじゃねえよ。もう使ってるじゃねえかッ!」と言うのです。
チェルシーの心を逆撫でる発言でした。
彼女は嫌々実の父に処女を奪われたのですから、でも、それ以外にマッチを売る方法が思い付かなかったのです。
湧き上がる嫌な感情を押し込めるのです。何故なら相手はチェルシーにとって、マッチを買ってくれる大切なお客様だからなのです。
“考えて考えて考え抜いた答なら100人が間違いと言ってもそれは正解なの”
男達に弄ばれながらもおばあちゃんのその言葉をチェルシー思い返していました。
“おばあちゃん、これで正解なんだよね。いけない事をしているかもしれないけど、私、間違っていないよね”
覆っていた手を顔からどかし、二本の手で男の局部を触ると既に硬直した物がチェルシーの手に当たりました。
「どうか私の身体で満足してください」
ゴクリと唾を飲む男達の音が聞こえて来ました。
下の果実には舌が這い一方的に快楽を与えられながらも、口と手を使い二人の男の性器も感じさせなければならない。チェルシーに休む暇などありません。
乳房は弄ばれ乳首は男の性器同様にいきり立ち、執拗にクリトリスを舐めていた舌は穴の周りへと移っていきます。
「ああ、そこは………」
「今更、何を言ってるんだよ」
そう言って男は舌をチェルシーの膣内へと侵入させました。
「ん、んぐ、いやあああああ」
脳髄を溶けさせる程の快楽がチェルシーに走り、口から男性器を離してしまいます。そして股間の辺りに熱い何かが押し寄せてくるのです。
「ダメ、それ以上は、やあああああああああ」
我慢しようとしました。しかし中を舌が這い回っていたが為に耐え切れず、チェルシーの股間から淫楽が液体と共に迸るのでした。
“ああ、なんて事をしてしまったんだろう”
チェルシーは恥ずかしさで一杯になってしまいます。
“大切なお客様の前で………”
チェルシーの羞恥心とは裏腹に男達は笑っています。
「あはは、こいつ潮を吹きやがった!」
「そんなに気持ちよかったのか。こいつ淫乱だな!」
意外にもお客様が喜んでいます。それを見たチェルシーはさっきまで恥ずかしがっていた自分がだんだん遠のいてくのを感じました。
「お客様、もっと私で満足してください」
チェルシーは体液で光る性器を自分の両手で広げてしまうのです。
「それじゃあ、俺から」
いきり立つ男性器がチェルシーの穴にあてがわれ、一気に奥まで押し込められます。
「ん、ああああああああああ!はあああああ」
強い快感がチェルシーの膣に与えられ男も腰を振ります。
「おいおい、こっちも頼むよ」
別の男性器がチェルシーの口に当てられたので口に含み、もう一方の手でも男を喜ばせるのです。するとどんどんピストン運動の幅が狭くなり、男の息も荒くなるのを聞き取ります。
突如、チェルシーの膣内に熱い液体が流し込まれ、中でビクビクと痙攣しているのを感じます。
「お前、早いなッ!」
「いやいや、すげえんだってこいつの締まりが」
「じゃあ、次は俺が」
チェルシーの膣から男性器が抜き取られると休む間もなく次の男性器が入り込んできまた。
「確かに、凄い締まりだ!」
「で、楽しませてもらったからよ。お代は払うが、何処に置いていけばいいんだ?」
さっき射精した男がチェルシーに訪ねます。
「あ、う、そ、そこの茶色いブーツに、ううん、入れておいて下さい」
「はいよ」
男は言われた通りブーツに金貨を入れ、カゴに入ったマッチも手に取ります。
「プラムのマッチか懐かしいな」
「あの、もし、あああ、お知り合いが、ほか、ああん、いたら呼んできて下さい。マッチを、今夜中に、うん、売らないと………」
「………ああ、わかったよ」
良くも悪くも人は人を呼びます。人脈がなければ人は来ません。如何なる名画を描こうが、如何なる傑作の小説を書き上げようが、人の目が当てられなければ誰にも知られる事はなく、あらゆる名作は人知れず風化してしまうのです。
それくらいに人脈というものは大切なのです。神が才能を与えても、人との付き合い方が下手くそだったら、全く無意味になってしまう事もありえます。
運の良さもありましたがチェルシーはそれを寸での所で築きあげたのでした。
もし、チェルシーがこの一方的な性行為に流されるだけだったら。
もし、チェルシーが羞恥心に負け男を呼び止められなかったら、これだけの人数は集まらならかったでしょう。
マッチ売りの少女を囲む男性は、チェルシーの身体で性欲を満足させたいから性器を固くさせて、自分の順番を今か今かと待ち望み、チェルシーはお客様を満足させる為に両手、口、膣を使い快感を与えるのでした。そして一回男を射精に導けば、なんの変哲もないマッチが金貨一枚か時には、ちょろまかされても銀貨一で売れるのです。
最初に相手をした男が流した“マッチ売りの娼婦がいる”という話はあっという間に街の性欲を持て余した男達に知れ渡り、これだけの人数が路地裏に集まってきたのです。
最早、何人の男の精を受け止めたのかわかりませんが、それだけマッチが売れたという証拠でもあったのです。しかし、貧しさ故の空腹により体力の消耗は思いのほか早く、手はもうマッチ棒よりも弱くなったような感覚、唇と舌も粘膜が剥がれたかのように麻痺つつあり男性器への愛撫は徐々に弱くなりつつありました。
(ああ、もう限界かもしれない。こんなにもお客様に待って頂いているのに………)
チェルシーの心が一瞬弱気になった時です。
「失礼しますよ」
まだ、相手をしている男が射精していないのにも関わらず、次に待ち構えていた男が割り込んできました。もう、チェルシーの身体にお客様を喜ばせる箇所はないというのに、止めようと思いましたが口も手も塞がっているので叶いません。
「わざわざ店を空けてきたのです。早く戻らないといけませんから、こっちでお願いしますよ。お嬢さん」
背後から囁かれる声に覚えがありました。後ろに目を向ける暇は無いから確認は出来ないがレストランの支配人の声に間違いありませんでした。支配人は性器を後ろかチェルシーの股へとあてがう、既に膣は別の男の物で埋まっているというのに、まさかとチェルシーは思うよりも早く支配人はチェルシーの中に容赦なく侵入していったのです。
「んんんんんんんんんんんんんッ!」
苦痛とも快楽ともわからない刺激で、チェルシーの脳からアドレナリンを大量分泌させたました。支配人はチェルシーの女性器ではなく、肛門へと己の性器を挿入したのです。
「お嬢さん、こっちは初めてのようですね。私の物が持って行かれそうな程、よく締まっている」
壁一枚隔てて二つの棒がチェルシーの中をゴリゴリと削るように責め立てられ、初めての感覚に目を丸くするチェルシーに男達は興奮をよけいに駆り立てます。
「ああ、らめ、二本なんて、やあああああ」
「よがってないで、俺のを舐めろってッ!」
子宮と直腸、同時に責められ快楽の渦に巻き込まれそうになるも無理矢理、口に男性器を押し込められ精液を受け止めます。
「ぶっは、らめ、やあああ」
口から白濁液とヨダレを零すチェルシー。
「いやって言ってる割に喜んでるんじゃないですかお嬢さん。お尻の穴から腸液がだらだら漏れてますよ」
「こんなの凄すぎて………」
「うお、急に締まってきやがった、ううやばい」
「流石に、これは私も………」
「いやあああああああああああッ」
果ててしまいました。
チェルシーも男達も、精液のようにチェルシーの頭の中も白く染まっていく中、膣と肛門から肉棒が抜かれ、手で愛撫していた二人の男が入れからるように二つの穴に性器をあてがうのです。
「よかったよ。お嬢さん、代金とチップもおまけしよう」
支配人は三枚の金貨をブーツに入れてマッチを貰い何食わぬ顔で路地から去っていきます。
「あ、ありが、うん」
前はともかく後ろの穴も男をスムーズに受け入れられるようになり、二つの棒がまたチェルシーの中で踊り出した時でした。
暗く照らす物なんて積もった雪だけ路地に強い光が差し込むと誰かが叫んだのです。
「ヤバイ、警察だッ!」
「逃げろッ!」
二人の男はチェルシーから性器を引き抜くと、彼女を雪の上に捨てるように投げ出し逃げる男達と一緒になって路地の奥に走っていくのです。肉体的にも精神的にも抹消しきったチェルシーにとって冷たい雪でも今は柔らかいクッションでした。
「おい、お前たち止まれッ!」
警察の人は叫びますが誰も聞きません。警察に逮捕されるという負い目を恐れチェルシーというマッチ売りの娼婦を、道に転がっている犬の死骸のように避けて通っていきます。
半ば狂ったような混乱の中、チェルシーはこのまま雪のクッションに身を任せようと思い瞼を閉じようとした時、身と心を削ってまで手に入れた報酬が詰まった、母の形見のブーツが目に止まりました。
“もし、警察に見つかってしまったら………没収されてしまうかもしれない………それだけは嫌だッ!”
その意思は大きくチェルシーを押し、逃げ惑う男達の中を遡って行ったのです。
結局、あの路地にいた男達を警察は一人も捕まえられる事は出来ませんでした。一人と多勢だったという事もありましたが、警察は何よりもチェルシーの保護を最優先したのです。
警察はチェルシーを署に連れて行くとお風呂に入れてくれて、簡単な食事も用意してくれたのですが、その後は尋問がしばらく続きました。
経緯、理由、何人いたのか、誰がいたのか、しかしチェルシーは自分の名前以外、決して喋りませんでした。その内警察はチェルシーから尋問する事を諦らめ彼女の父親を逮捕しました。
そう、父が我が子に売春を強要したのだと決めつけたのです。勿論、マッチを売れと命令はしたけれど身を売れとは父親言っていませんから、全面的に否定はしましたが、事実はどうあれ父親として健全に子供を育成できるか疑われるのは仕方のない事で、チェルシーの父親は親権を完全に奪われたのです。
そしてチェルシーは教会が運営する孤児院に引き取られる事になりました。
フカフカとは言えませんが清潔なベッドが用意され、質素ですがちゃんと食事は与えてくれて、神父さんやシスターは他の子供達と対等に接してくれたのです。
裕福でも豪勢でもありませんが、寒さに凍えたり、殴られる事も、ましてや鬱憤や欲求不満を押し付けられる事もないそんな簡素な平等さがチェルシーには今なによりもの幸福でした。
当たり前のように冬は通り過ぎて行き春が訪れ、教会の裏庭に植えられた桜の木が満開になったある月夜の晩。チェルシーは深夜になるとベッドから起きだし、他の子供や神父やシスターに気付かれないように注意しながら孤児院を抜け出したのです。
なんでもない平日の夜は大晦日とは違い驚くほど静かでした。そんな闇の中、チェルシーは月明かりだけを頼りに、ある場所にやって来ました。
そこは去年の暮れ、マッチを売る娼婦がいた路地でした。チェルシーはそこでしゃがみ込み、少しはみ出したレンガを壁から引き抜きます。
そこに眠っていたのは茶色いブーツでした。それをそっと抱きしめ重みを確かめます。 「これが私の報酬」
ブーツの中には溢れんばかりの金貨がありました。
アンデルセン童話をエロくしてみた~マッチ売りの娼婦~