裏の神社の神サマ。3

第三夜

仕事帰りにスーパーに寄った。
ビールを買う為だ。
胡散臭い神サマだけど 考えてる事はバレるし、姿を消せるし ただ者ではないと思うから 怒らせたら何されるか解んないからなぁ・・・

「ビールと・・・弁当と・・・あと さきいかでも買っとくか酒の肴に。 俺って気がきくよなぁ♪」

神サマ登場に備えて早々と眠った。
暗くしてた部屋が明るくなったのに少し遅れて目が覚めた。
「あ 神サマ、おはようっス。」
『馬鹿。夜なんだから『こんばんは』だろ。』
早速ビールを片手にタバコを吸っていた。
「いやあ~俺は寝て起きたんだから やっぱ「おはよう」じゃないっスかね?」
『まぁ どっちでもいいわな(笑)』
「っスね(笑)」
『それよりお前、自炊とかしないの?昨日はカップラーメンで今日はスーパーの弁当って栄養とれないぞ?』
「いやぁ やらない事も無いけど、面倒いじゃないっスか?1人分とか。」
『そうだけどな?今どきは料理ぐらい出来ないとモテないよ?女に。』
「いや。神サマ、それ違うっス。モテてる男が料理出来たらポイントさらにupするけど そもそもモテない男が料理アピールする機会無いスから。」
『・・・だな。』
「でしょ?(笑)」
『お前意外に鋭いトコあんだな(笑)』
「それより 俺をハッピーにする話っスよ?」
『あぁ それな。お前は何して欲しい?』

「ん~・・・手っ取り早く大金?10億とか?」
『無理。』
「えぇ~?じゃあ1億くらい?」
『無理。』
「え?・・・じゃあいくらなら イケるんスか?」
『基本、金は無理。』
「えぇ~何で~?」
『よ~く考えろ? そもそも金が自由になるならお前じゃなく ウチの神主とかに渡して神社を立派にした方が よっぽど効率的で合理的だろ?』
「ま、まぁ・・・」
『それに金には番号が振ってあんだぞ?どっかから拝借して来たらお前泥棒だよ?無い番号の金を作ったら偽造で捕まるし、銀行のデータ改竄して口座に入れたって、お前みたいなのにそんな大金が入金されたら不自然だろ?』
「ま、まぁ・・・」
『だから 金は無理。』

「じ、じゃあ車!フェラーリとかベンツとか?」
『だ~か~ら~無理。』
「えぇ~何でっスか?」
『本当 バカだな。車だって車体番号あるし、そもそも所有して税金や維持費払えんの?』
「無理っス・・・」
『だろ?そもそもハッピーが物質的な話か?』
「ビールなくて怒るくせに・・・」
『あ?!(怒)』
「何でも無いっス━━━(泣)」
『他は?』
「え~と・・・あ! どっかの大手人気企業に入れてもらえば金もたくさん貰えそうだしモテそうじゃないスか?」
『それなら出来なくはない。』
「マジスか?━━━━!!じゃそれいきましょうよ?!したらバッチリハッピーでしょ?」
『馬鹿。俺が出来るのはせいぜい入社できるかどうかまでだ。人事担当者の頭ん中にお前を強烈に刷り込ませるくらい。入社できるかどうかの保証は無い。』
「ビミョーな話っスね?」
『もし。もしだぞ?上手く入社して?お前、あちこちの有名大学卒のエリート相手にタメ線張って仕事できんのか?やれスキルだ人脈だノルマだ、色々あんぞ?結果出せなきゃ即クビよ?』
「う~・・・無理そうっス(泣)」
『だろ?人には分相応ってモンがあんだよ。』
言葉に詰まり 神サマと一緒にタバコの煙を交互に吹き出していた。
『宿題だな。また今日1日考えとけ。』
「うっス。難しいっスね?ハッピーになんのも」
『そんな簡単にいくんなら不幸な奴が世の中にたくさん居るのがおかしいだろ?』
「そうっスね~。」
『あ あと、やっぱ何でも出来ないより出来た方がいいからペペロンチーノ作れ!あと安いのでいいから白ワイン買って冷やしとけ。辛口な?』
「は?ペパロンチンノ?」
『ペペロンチーノ!!!』
「り、り、了解でス。」
怒声と共にまた目の前から神サマは消えていた。

宿題が2つ、
ハッピーになれる方法を考える。
ペパロンチンノ・・・じゃなくペペロンチーノを作る。
どっちも難問じゃね?頭を掻きながらタバコに手を伸ばす・・・・
また空だ。
「あのヤロー、また やりやがった・・・でも、今日はもう1箱買ってあるもんね~♪」
鞄のを開けて中に手を入れる。
・・・
・・・
・・・
「無ぇじゃん?!新品間違いなく買って入れたのに・・・神サマか・・・」
灰皿から長めのシケモクを探し火をつける。
「いっそ やめるか?タバコ・・・いや無かったらまた蹴るんだろな神サマ(笑)」


続く。

裏の神社の神サマ。3

裏の神社の神サマ。3

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-14

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