裏の神社の神サマ。

第一夜。

とある夜、
トイレに起き用をたすと
何者かがテーブルに居てタバコを吸ってる。
「だ・・・誰だよ?」
・・・
返事が無い。
壁のスイッチを押し照明をつけると
白髪の長髪で長い白い髭をたくわえた老人らしき男がタバコをじっくりと吸っていた。
「あんた 誰だよ?何してんだよ ここで?」
怒鳴る様に再度 老人に問いかける。
『お前 夜中にそんな大声だしちゃ近所迷惑だぞ?
ちょっと落ち着けよ。』
「あ・・・はい・・・すいませ・・・・
じゃねえよ!なんで俺が謝んなきゃいけねぇんだよ!」
『だーからー うるさいっての。警察呼ばれちゃうよ?嫌だろ?そんなの?』
「ま・・・まぁ・・・って呼ばれて困んのお前だろが?」
『お前なぁ、誰に向かって『お前』なんて言ってんだよ?天罰与えちゃうよ?』
「お前が誰かなんて知らねぇし!つうか知らねぇ奴が勝手に人ん家に居るから問題なんじゃねぇかよ!・・・って そもそもそのタバコ俺のじゃん?! 何勝手に・・・って ああ!ビールまで飲んでんじゃんよ!!」
『セコいなぁ~お前。そんなんだから彼女も出来ねぇんだよ』
「う・・・うるせぇな 関係無いだろが!
って何で彼女いないって知ってんだよ?!」
『そりゃあ 俺が神サマだから。』
咽を鳴らしながらビールを飲みジジイが言う。

ダメだ・・・
このジジイ 頭 逝ってるよ・・・
マジで警察呼ぶか・・・

『呼んだって無駄だぞ~ とりあえずお前にしか見えない様にしてるからな~ お前が頭を疑われる羽目になるだけだし(笑)』

ん・・・?
俺、今、口に出してないよな?

『だーからー 口にしなくたって神サマなんだから
お前の考えてる事くらい解るわけよ?』

え・・・・えぇ~?!
嘘ぉ?何よ? あれ?あのメンタリズムとかってヤツ?テレビでやってる・・・

『だからdaigoじゃねえから か・み・さ・ま』
「じ・・・じゃあ・・・百歩譲って神サマだとして、・・・と、しても 何でここで人の酒とタバコ勝手に飲んでんだよ?」
『これか?こりゃあ お前。あれだよ?手付けみたいな感じ?』
そう言ってまたビールを一口飲み、深くタバコを吸い込み大量の煙を俺に向かって吐き出した。
「手付け?手付けってなんのだよ? 俺何にも頼んでないぜ?」
『知ってるよ?頼まれてないもん。何も。』

話が全く進まん(泣)

「あの~・・・すいません?」
『なんだ?』
「もう何が何やら全く解んないスけど?
ちょっと1から詳しく説明ってしてもらえないッスかね?真面目に?。」
『おう。いいだろう。俺は、ホレこのアパートの裏に神社あんだろ?あそこの神サマだ。』
「あぁ、あの小さくて寂れた感じの神社・・・
『あ?!(怒)テメぇ ナメてんのか?(怒)』
「す・・・すいません・・・」
『ったくよぉ・・・最近の若造は礼儀ってモンをわきまえてねえんだよなぁ。』

お前もだろーが

『あ?!』
「あぁ・・すいません・・何でもありません」
本当に頭ん中 見透かされてるよ・・・

「で・・・その神サマがどうしてウチに居るんですかねぇ? 俺 そこの神社でお参りもして無いッスけど 何も悪い事もしてないと思うんスけど?」
『してないわな。何も。』
「はい。」
・・・
・・・
「あの~・・・」
『おう。』
「俺もタバコ一本吸っていいスか?」
『しょうがねぇなぁホレ。』
「あ。すんません・・・って俺のッスよね?」

『ぶっちゃけてだな? お前はモニターに選ばれたんだよ。』
「モニター・・・・スか?」
『ホレ。ちょっと行った先に今や人気観光地になった寺あんだろ?』
「はい。 ありますね。」
『あそこによ?客 全部とられちまってよ?おまんま食い上げなんだよ。こちとら。』
「客・・・?おまんま?・・・?」
『かぁー、馬鹿っつうか 察し悪いねぇお前。』
「すんません。」
『神サマってのはよ?い~っぱい居るんだよ。
んで、信仰心だとかお願いする気持ちとかが俺達のおまんま。近所に大手があると零細はお手上げなワケよ?解んだろ?』
「はぁ・・・なんか大手スーパーと商店街みたいな話ですかねぇ?」
『そうよ~!それよ、それ!』
「で?・・・俺に何の関係が?」
『なんせ向こうは大量の客だぁ こまかなサービスまで手がまわるワケも無い。じっくり待てば そのうち『ここご利益無いよね~』なんて噂が立つだろ?そうすりゃ客足も遠退いてウチにも客が流れて来るって話よ。だけど実際問題な?そこまで耐える体力が無いのよ?情けない話。』
「はぁ・・・」
『で。 で、だ?お前みたいにうだつの上がらない冴えない取り柄も無いヤツをだ?この俺様のお力でハッピーにしてやろうって寸法よ。んでその華麗なる成功の秘訣はウチの神社でお参りしてって美談をTwitterやらFacebookやらでお前に拡散してもらうのよ。上手く行きゃあ お前?濡れ手で粟モンよ?(笑)』
「俺 サクラって事ッスか?・・・」
『それじゃあお前 リアリティーが欠けちまうだろ?お前にストーリー盛る才能なんて無さそうだしよ。』
「ボロクソ言いますね・・・(泣)」

『ま もうすぐ夜もあけちまうし 詳しい話はまた今晩な?』
そう言い残して自称神サマは突然目の前から一瞬で消えた。
「マジで神サマ?・・・あっ?!」
神サマと一緒に俺のタバコも消えていた。

「買い置き無ぇのに━━━(怒)」

続く。

裏の神社の神サマ。

裏の神社の神サマ。

突如現れた謎の老人。 本人曰く「神サマ」。 胡散臭さ最高。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-12

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