この色に

茫洋たる今冬の目次録 失態、羞恥は付録
袋綴じ 覗き込み 弄る(まさぐ)下半身 この世で最も正直

「切り捨てろ」と似非キリスト教の布教活動
惰眠がご馳走 ダイエット 滑走の果てに滑落死
"この世界は丸い"って聞いていたのに

四畳半の夢想家 瞼の裏では敵なしの無双が
光を見ればこのザマ 孤独に死んでいけってか?
無縁仏にナンマイダ なんて手を擦り合わせた
言葉なく毒づいた俗世間に迎合する彼ら
現代におけるアンチ虚無主義の権化だ
認めたくはないがアイツらの方が
上手く生きれらてる気がするよ

都会で揺れる色欲の灯り それはつまり
呑み込まれて消えていった誰かに対しての哀悼の意

不感症か不干渉でなければ蝕まれていくだけだ
自殺者に対して舌を打った 黙祷なんてもっての他
言葉足らずの若者が挙って指を立て「この偽善者が」
死によって一致団結なんて軽いもんさ
もっと飛び込めや その数だけ強くなる絆(笑)

悪意の飽和 善意で喰える飯はせいぜい干し芋か
手狭な空が溜め息でいよいよ埋め尽くされれば
集団パラノイア 脱出経路は調べておけよ 馬鹿

窃盗犯の高齢化 イニシアチブ 実存主義 ポイ捨て
ベルリンの壁 そこかしこに横たわって
人間性の下方修正 察した心中に出刃を突き刺せ
何れも等しく灰に 慢性的イロニー 個の色に

この色に

この色に

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-12

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