線路を書こうと思っている
夢うつつに考えた。
サブマリンを見ながら、夢うつつに考えた。
ユーネクストでサブマリンを見ながら、寝ていたら何故だか誰もいなくなったら、この家で線路を描いて過ごそうと思った。
私の日常は、順調に行くだろう。
一人ぼっちなのは相も変わらずだが、楽しみ方を知っているし、植物やらメダカやら、楽しみ方は知っている。
相変わらず犬を飼うだろう。そこは変わらず。
しかし私の周りの人たちは大変で、私と気の合う人はどっかへ行ってしまうらしい。
ありゃりゃ、大変だわ、こりは。
そう思いながら、とにかく何にもできないな、見ていることしか。そう思う。
傍にいて、同じように感じたり、会話したり、共感したり。そんなことしかできないな。
そう思うからこそ、私と言う存在はいるのであり、皆に必要だったのだろう。
人生の寂しさを、うまく乗り越える方法知ってるよ。
そんなことを思いながら、とにかく線路を描こうと思っている。
芥川龍之介のトロッコみたいなもんかな、心境は。
同じように悟れたということか。
しゅ、しゅ、しゅ、しゅ、汽車ぽっぽ。
知ってるか、この町にはSLがある。
世界的に有名な話さ。
しゅ、しゅ、しゅ、しゅ、汽車ポッポ。
どうして僕らの線路は別れた?
シュ、シュ、シュ、シュ、汽車ポッポ。
どうして一緒にいられないんだ?
寂しいような、もう寂しくもなんともないような、とりあえずは独りぼっちに慣れている。
楽しみ方を知っている。
私は相も変わらずここにいるよ。
だからいつでも帰っておいで。
しゅ、しゅ、しゅ、しゅー。
と音がして、目の前に新たなSLが停まった。
蒸気を上げて、おあつらえ向きだ。
私はどうしても乗らなきゃ駄目?と車掌に聞いて、はい、と人生を決めるその人に頷かれ、いやいや飛び乗った。
シュ、シュ、シュ、シュー。
私たちを乗せて、別々に汽車は走る。
私は平穏な日々へと続く汽車に乗り、アイフォン片手に音楽聞いて、片足組んで窓から外を眺めている。
菜の花畑が綺麗だわ。
私のラッキーカラーは黄色、と声に出さずにつぶやいた。
線路を書こうと思っている
ラッキーカラーは黄色です。