蝶々
遥か向こう側の夢を目指し過ぎて
既に決まっている終わりに蓋をする
イロもカタチもない不規則な世界で
口許と胸元の呼吸はズレていて
愛おしの体を抱き寄せた
いつも通りの部屋舞い降りた違和感
当たり前の事その全てが哀しくて
少し無理をした夢に終止符を打ち損ねた
その先に流るる何かが
わからなくて
ねぇ全てが失くなってさ
抱き続けた哀しみは
忘れかけてた愛しさは
何処に吐き出せばいい?
何を信じたらいい?
何を裏切ればいい?
僕の全てが空になっても
僕の歴史が無くなっても
ダメかな
たまに無頓着ときどき天邪鬼
嬉しい一言は全て拒絶する
ぎこちない仕草甘え方もわからなくて
歓喜と哀愁が上手に手を打つ
差し出す指先が触れたのは
出逢いは悲しいね別れも淋しいね
どちらの言葉も僕にはくすぐったくて
僕らがこのまま永い時を生きて
同じ匂いになるまで続いたらいいな
なんて思うことは
少し無理があるのかな
ねぇ君を失ったならさ
あの日交わした約束は
祈り続けた願い事は
何処に向かって解き放てばいい?
誰に怒ったならいい?
誰と果たしたらいい?
いつまでもなんて叶うなら
例え何を無くしたってもう
いいから
今からでも嘘って言ってよ
酷い夢なら早く醒ましてよ
次に流れる哀しみは
誰に拭って貰えばいい?
壊れたマリオネットみたいにさ
いつまで踊り狂えばいい?
焼き付いた君のすべては
何で上書けばいい?
ねぇ世界をぶっ壊してよ
もう今更誰を想っても
君が濡らしたこの指先は
何処で渇かせばいい?
何を恨んだらいい?
何を赦したらいい?
君を感じた温もりを
僕が感じた温もりは
僕を追い出してついに君だけの秘密
独り占めにして終わりを出迎える
夢の形をした不透明な君は
僕を透かしてた
君が吐く言葉は
蝶々