恋色?何色?どんな色?

またーり自分の欲望!をかいていけたらなあと思います。夢を描けるのはいいことだと思うのでw
よかったらゆっくりみてってくださいなー!

恋ってどんな味がするんだろう・・・
そんな物語。

鐘のなる音がきこえた。

季節は春。
桜は咲き乱れ、綺麗な花をたくさん包み込む枝は僕に「いってらっしゃい!」と手を振っているかのようだった。

中学から巣立った雛だった僕は、あっという間に自立しろと言われてるが如く高校に入学する。
まあ他の人も同じ心持ちであるだろうけど、一言でまとめる。
一言でまとめるなら・・・・


「お腹すいた・・・・」


そんなことをぼそりとつぶやきながらも、教室に向かい足をすすめる。


周りには同じような新入生であろう人が歩いてる。
緊張と不安と少しの期待。そんな表情で溢れている。

ぼ、僕だって緊張してるからね!?


ただそれ以上にお腹がすいているのだ。
お腹が鳴らないことを祈りながら僕、須藤 昇(すどう のぼる)は目の前にあるドアを開いた。

新しい世界に心躍らせて。

席順は名前順となっており僕の席は丁度クラスの真ん中だった。
窓側が個人的には好きなのだが、しかたなく決められた席に座る。

僕の通う高校「海洋第一高校」は、小さい公立の高校だ。
近くにある中学2校から大体の生徒はここに通う。
まあよっぽど頭がいい生徒は都会に出たり遠い進学校に通うんだろうけど、僕みたいなバカはここで充分な高校生活が送れるのだ。
むしろ僕には選択肢がなかったのだが。くそう!

色々うだうだしながら溜息をつきつつぼーっとしていると、急に後方から抱きしめられた。


「昇ううううううう!!!おお!同じクラスじゃないかああああ!!」

「や、やめろーーーー!!抱きつくな!!高校初日からゲイ疑惑立たせる気か!すぐるー!!」

僕は慌てて、斉藤 優(さいとう すぐる)を突き放した。
華の学校生活が、薔薇色の学校性活に変わるのはごめんだ。


「昨日は・・・あんな激しい夜を過ごしたじゃないか・・・俺なんて身体だけの関係だったのか?」

「やめろ!!僕はゲイじゃない!!」

「そんな大声出すと皆びっくりしちゃうよ?」

「キミが抱きついてきた時点で皆引いてるんだよこの野郎!!」

「まあまあ落ち着こうよ 昇。」

そういいながら優はニカッっと笑った。


優とは小学校からの遊んでる竹馬の友だった。
スポーツもでき、勉強もでき、顔もいい。誰しもが認める完璧人間。
でも女性と付き合うよりも自分でやりたいことしてる方が楽しいらしく僕と毎日遊んでいた。
昨日もゲーセン行って、二人で格闘ゲームをしていたが、完膚なきまでけちょんけちょんにしてやった。
イケメンに勝つって凄く嬉しいよね!!皆さん!!



「ところで、今回のクラスってどうよ??」

「僕が見たところ知ってるやつ半分、知らない奴半分だねー。綺麗に。」

「まあ僕は、昇がいてくれればそれでいいんだけどね・・・」

「・・・・いやあ腹減ったなあ。」

「無視!?いやしかしこの無視されている感じもまたいい・・・」

「僕、キミとの関係考えていこうと思うんだ。」


そんな絡みをしているとチャイムが鳴り先生が教室に入ってきた。


いよいよはじまるんだ。
僕は期待に胸を膨らませながらも、どうやったら腹が膨れるか考えていた。

先生の話はあっという間に終わり、入学式だけだったので午前で学校は終わった。

先生の話を要約するならば、充実した学校生活を送ってくれということだった。
まあ、そうだよなあ。せっかくだからいい学校生活を過ごしたいものだ。
まあそう恋とか簡単にできるわけ・・・

「須藤くんだっけ??」

急に話しかけられびくっとして隣を向く。
女の子だ。
黒髪で長さは腰くらい。顔は可愛らしいが彼女の雰囲気のせいか、大人びて見えた。


「そ、そうですはい・・・」

女の子は妹くらいしか話慣れてないからか緊張するなあ・・・

無駄に手が汗ばむ。


「私の名前分かる??」

「ご、ごめん・・・物覚え悪くてさ・・・」

「ふふっ、そうよね!初対面だから当然だよね。」

悪戯っぽい笑みを浮かべて彼女は手を横に振る。


「私は、佐藤香苗(さとう かなえ)。これからよろしくね!」


「あっ、うう。はいよろしくお願いします・・・」

「なんで敬語なの??」


「いや・・・ほらっその・・・」

可愛くて緊張してるなんて絶対にいえない!
ど、どうしよう・・・

そんなこと思いつつ、顔を赤くして悩んでいると、


「あはは、いいよう!緊張しなくったってー!隣だから話かけたんだあ。友達待ってるからもういくね!」



彼女は言って、鞄を手に取り微笑みながら教室の出入り口へ向かった。



「佐藤さん!!」

「ん??なに??」


いかん・・・つい呼び止めてしまった・・・
でも、なにか言わないと!!
僕は汗ばむ手を前に出し、微笑み返した。

「また明日ね!」

「うんありがとっ!またね!」


香苗は小さく胸の前で手を振り教室をあとにした。


少しの時間だったのにも関わらず、僕の胸の鼓動は大きくなっていた。
それが恋かといわれると分からない。

でも、分かったことがある・・・


学校生活楽しくなりそうだ!!
はやく明日にならないかなあ・・・
そんなトキメキと期待に胸を膨らませていた。
その後また優に飛びつかれることも知らずに。

「ただいまー・・・」
おそるおそるドアを開ける。
時刻は昼 13時頃。
そう今、僕 須藤 昇は自宅をまるで、某ス○ークさんのように一歩一歩静かに進んでいた。


「こーるああああああ!!!昇ううううう!かえってきたらまず母に挨拶すると何度言ったら分かるかあああ!!」

「か、母さん!!痛い痛い!!腕の向きおかしい!!これ折れる向きだよ!!いやああああ!!!」


帰ってからは親に挨拶 須藤家家族のお約束第一条だ。
だがさすがに僕も高校生だ。この家族の法律が苦手な思春期ボーイです。


「分かったのならよし!手洗ってきなさいな。ご飯できてるから。」

「あ・・・はは・・・洗うはずの手がちぎれるかと・・・」

「いくら私でもあんたにそんなことはしないよ。愛しすぎてだな・・・」

「その狂った愛情表現やめて!!」


そう大声を上げながら手を洗いにいく。
そうこう言いながらも親に感謝してるのは確かだ。
裕福ではない家庭なのにも関わらず、やりたいことはやらしてくれるしお小遣いだってくれる。


「感謝したいんだけど、あんな対応じゃなかなかなあ・・・」

ふっと、遠い目で宙を見上げる。


「はやくー!ご飯冷めるよー!冷ましたら・・・ぐふっふっふ」


「・・・後半なんか人格違うよおおおお!!今行きます!」


「サーをつけろサーを!」

「へ??今行きますさーーー!!」


「私はあんたの友人じゃなあああああい!!」


不条理だあああああああああああああ!!

恋色?何色?どんな色?

恋色?何色?どんな色?

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更新日
登録日
2012-07-02

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