そうだインドに行こう。8

小さな親切 大きな・・・

あちこちと観光しながら移動をしていたある日
アニルが不敵に微笑みながら
『今日の昼食は楽しみにしてくださいね~』
と ドヤ顔で告げる。

おお~どんな珍しいインド料理なんだろうと
期待に胸を膨らませる。
当時 本格インド料理なんて店はそうそう無かった(知らないだけだったかも)ので
見るのも食べるのも新鮮でたのしかった。

車が停まったのは
今まで泊まったのより数段豪華なホテル。

おお~高級インド料理?
本気で楽しみじゃないの。

アニルに先導され
ホテル内のレストランへと。

テーブルにズラリと並べられた料理。

これは想像もしなかった。

まさか こんな料理が・・・


和食。


何故?!
ここはインド!!
なんでインドまで来て和食?!
数日たてば日本に帰り嫌でも食べますが?!

『そろそろ 食べなれた食事がいいかと。』

要らんよ・・・
もっとインドらしいインドの料理が食べたい!

しかしアニルの厚意だ。
多分 値段も高いだろうし
喜ぶ素振りを振舞おう。

まずは親子丼。
親子丼?・・・親子汁丼 ?
汁だく。いや汁だくだくだくだく丼。
お茶漬けか雑炊かと思う程の汁だく・・・・
味は・・・はっきりしない。

ほうれん草のお浸し。
ほうれん草問題無し。
鰹節もかからず、醤油も味がうすい。


味噌汁 。
一言・・・
ダシが無い。

冷奴。
薬味無し。
豆腐自体も味も風味も無し。
醤油も以下同文。

茶そば。
茶そば?
茶そばの色した そば?
匂いも風味もコシも無い。

何故・・・?
たがだか3~4日よ?
もう 3~4日したら、日本に戻って食べれるやん‼数段美味いのが。

それでも人様のご厚意
作り笑いで 食べ進める。

60%位 食べた位で
店員がアニルに話しかける。

なにやら揉めてる様子だ。
アニルの表情が険しくなっていく。
かなり悪い雰囲気を漂わせていく。
「どうしたの?」
とアニルに問うと
『すいません。食事中なんですが偉いお坊さんが来るので さっさと帰れと言ってます。』
「いいよ。出よ?」
『本当にすいません。』
「大丈夫だよ。アニルは悪くないし。」

坊主?
どうやら このホテルと言うか
この辺一帯 日本の宗教団体の所有らしいのです。

感じ悪い事 この上無い。
アニルの気遣いは嬉しいが
全然美味くもない和食なんていらないし
他所の国に来て我が物顔のクソ坊主見たら殴りかかっちゃうかもしれないので そそくさ退散。

細かなアクシデントや長い移動の間に
アニルともよく話すようになっていた。

そうだインドに行こう。8

そうだインドに行こう。8

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-07

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