そうだインドに行こう。6

不自由な自由

午前10時 1人ホテルに置き去りにされる。
何かこの周りに観光する様な場所は?
『無い。』
1人でこの辺を散歩するのは?
『ダメです。』

どうしろと?

別れ際 アニルに1枚の紙を渡されるも
何と書いてあるかは全く理解できない。
『この紙をレストランで渡せば適当に料理が出てきますから。』
と言って彼は去って行った。
とりあえず部屋に荷物を置き一服する。
そう言えば ゆっくりタバコを吸うのが
随分と久しく感じれる。

まぁのんびりするのも悪くないものである。

10分後・・・・
暇すぎる(笑)
落ち着きの無さすぎる自分の性格が情けなくなってくる。
とりあえず、外に出るな。と言われてるのだから
せめてホテル内でも探索しようと部屋を出る。
この白い洋館 年季は感じるもきちんと小綺麗にされていて とても落ち着きのある立派なホテル。

が、
しかし、
落ち着きはあるけど、
刺激が無い。
ざっと見回ってみたものの
小さな土産屋と両替所らしきものがあるだけだった。しかも土産屋は閉まっていて、時間潰しにはなりそうもない。
ふと考えると そう言えば現地のお金をまだ用意していなかった。
この時間を利用して両替をしておこうと一旦 部屋に戻り財布を用意して両替所に舞い戻る。
そんな使う用事も無いかと思いつつ、
とりあえず一万円を両替すると
ものすごい量のお札が目の前に。
しかも一部ではあるがホッチキスらしきモノで束にしてるのもあるが これもお国柄なのだろうと
無理矢理納得をする。
レストランの場所を確認して 昼食にはまだ早いので再度 部屋に戻る。
気になるのでホッチキスらしきモノで出来た札束をバラし始めると慎重に作業するも破けてしまうお札、あからさまに元から針と関係無く破けてるお札が沢山ありました。
これ 使えるんだよね?
使えるから渡すんだよね?
不安を感じながら小分けに財布に納める。

さて、
部屋にテレビがあるのだから
とりあえずつけてみよう。
チャンネルを順々に変えていく。
野球がやっている・・・興味が全く無い。
ドラマがやっている・・・話も言葉もわからない
映画がやっている・・・以下同文。
諦める。
そう言えば昼飯。
適当な物が出てくると言われてたが
せっかくだから食べたいと思う料理を食べようと。部屋にルームサービス用のメニューと思われる物があったので開いてみると
謎の文字と多分英語と思われる文字だけ。
無論 どちらも読めない。
料理の写真も無い。

ガイドブックを開く。
日本語のみの表記。写真もあるが比較も出来ない。
メニューに戻り 知ってる英単語を探し 料理の予想を立てていく。
長い時間が流れて 空腹と疲労を感じ時計を見ると既に午後2時。あわててレストランへ。
予想して紙に英語で書いたメニューをウェイターに渡す。しばらくしてテーブルに乗せられた料理は一応予想通り。タンドリーチキンとカレーピラフらしき料理。成功だと思う。
量以外は。
ものすごい量がある。
昨晩の料理と比べても圧倒的にボリュームが違う。どこかにサイズの表記があったのだろうか?
しかし もう出されてしまったので
気合い入れて食べ進める。

結果 死にそうな程の満腹感。
部屋に戻り ベッドに横たわると
疲労と満腹感で程なく眠りに落ちて行く。


目が覚めると時刻は夜7時。
多少の疲労は抜けた感じはあるが
満腹感は一切抜けていない。
もう晩飯はいいな。
またメニュー考えるのも嫌だし
そもそも食べたくない。

シャワーでも浴びて酒でも飲んで寝てしまおう。
そう思いバスルームへ
シャワーを出す。
・・・
・・・
水しか出ない。
・・・
・・・
そう言えばアニルが
『夜はお湯が出なくなる事があるので なるべく早めにシャワー使ってください』
と言っていた気が・・・
浴びるのは諦めてタオルを絞り拭くだけに。
もう飲んで寝よう。
ウイスキーをペットボトルに移して持ってきてたのだが そこで問題が。
氷 無い。
今でこそストレートでも飲めますが
当時はロックでしか飲まなかったので
また呆然と立ち尽くす。

もう寝よう・・・。
明日はきっといい事あるさ。

そうだインドに行こう。6

そうだインドに行こう。6

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-07

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