そうだインドに行こう。4

旅の始まり

扉を抜けて 外に出ると
乗って来た飛行機の中とはうってかわって
沢山の人と それが生み出す喧騒にも近い賑わい。

ふと立ち止まり考える。
「あれ?現地でどうするんだっけ?」
このツアー基本 現地集合現地解散(あくまで1人ですが)代理店の人?ガイド?どうやって接触するんだか ちゃんと打ち合わせた記憶が無い。
聞いたけれど記憶して無いのか
聞いてもいないのか それすらわからない。

ヤバい・・・
どうする?・・・

途方に暮れて しばらく立ち尽くしていると
なまった様な日本語で自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
声の方に目を向けると
典型的なインド人(個人的見解)の小太りの中年男性が居た。その手には旅行会社と自分の名前が大きく記された紙があり 日本人を見ては声をかけていた。
間違い無く彼がこの旅のガイドであろう。
近づいて声をかけると 屈託の無い笑顔で
「初めまして ガイドのアニル(仮名)です。
どうかお願いします。」と手を差し出し握手を求めてきた。時代かお国柄か個人差か
握手と言う習慣に馴染みがないのだが
やはりここは異国の地
飛行機内に続き郷に入っては郷に従えと
ぎこちない笑顔と仕草で握手を交わしました。

時刻はもう 10時過ぎ
挨拶もそこそこにホテルへと移動。

到着したホテルは想像と違い
かなり立派なホテルでした。
当時の最大手と比べ7万円程安いツアーなので
虫と人と雨風に襲われなきゃいいや位の覚悟をしていたので いい意味で期待を裏切られる事になりました。
そのままホテル内のレストランへ。
初の本場インド料理です。
まず登場したのは
サラダ・・・
サラダ?・・・
ざく切り野菜?・・・
とりあえずサラダです。

ほぼ同時にパンが出され 一緒に小さいバターのパック。お好きなだけどうぞと言う。
ここでアニルがパンをとりつつ
『バターを忘れずに取ってください。
後で使いますから。』と。
後で?目の前のパン以外にバターって
カレーに溶かすの?
意味不明なまま 説明も無いまま
残ったパンとバターは下げられて行く。

その後 メインとなるカレーの登場。
日本式のカレーライス(正しくはライスカレーらしい)位しか食べた事がなかったので
どんなカレーなのか楽しみにしていると
出てきたのは小振りな器に入ったカレーが3つ。
もう記憶は曖昧だけれどオクラのカレー、
磨り潰した豆のカレーだけは記憶にある。
当時 日本ではお目にかかる事の無い物でした。
そして サラッとした米が少々と
今ではポピュラーかも知れないが
ナンなる物がテーブルに。

率直な感想・・・
パンと何が違う?でした。(笑)

いまいち 納得しかねたのは
パンの追加もできず
ナンは1枚のみ。

なら もう少しパン取っておけばと軽い後悔。
と言うか 最初に教えてよ?

あと 最初に取っておいたバターはナンに付ける為だとアニルが言う。
普通なのか アニルの好みなのかは未だに謎です。

期待外れだったのは
インドの人・・・
素手でカレー食べませんでした(笑)

これは後々の話にも出しますが
やはり昔はそうやって食べていたけどと言う事だそうです。

基本 スプーンやフォークを使って普通に食事をします。

味は 悪くない。と言ってしまうと偉そうな物言いになりますが
良く言うなら 馴染みやすい味でした。
もっとスパイスの効いた独特の風味を醸し出してるのかと思いきや 意外に日本で食べる味に近い印象を受けました。

食事を終え ホテルのロビーに戻ると
『では明日 4時に迎えに来ます』
とアニル。
時刻はほぼ0時。

「4時?」
『はい。』

4時だそうです。
昨日に引き続き寝不足確定です。
まだシャワーも浴びていません。

なんだか とても慌ただしい旅の始まりです。

そうだインドに行こう。4

そうだインドに行こう。4

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-06

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