そうだインドに行こう。3

いざ インドへ!

いざ 搭乗ゲートをくぐり
機内へと。
安いツアーでの旅なので
勿論 座席はエコノミー。
ざっと見回しても いるのは帰国であろうインド人らしき人だらけ。

指定の座席を探すと
窓際の席で 軽くテンションあがる。
まぁ 飛んでしまえば何が見える訳でもないのだけれど 不思議と嬉しい気分。

3人掛けのシートに しばらくして
1つ空けて通路側の席に1人男性が座る。
ざっと見回しても空席が多い。
ペスト流行のせいで 旅行に行く人も 帰国する人も少ないのだろう。
できることなら このまま隣が空いていれば
かなり 快適にすごせるだろうと 小さい希望を抱く。

海外 初めてではないが
以前は会社の社員旅行で仕事仲間が隣だったので
何の問題も無かったが
やはり エコノミーで見知らぬ人が隣で 長時間のフライトだと 精神的に圧迫感を覚えるだろう。

程なく出発を知らせるアナウンスが流れ
ベルト着用を指示される。
隣は空席のまま。
ありがたい。物理的には狭いシートだが
精神的に余裕が生まれた。

しかし、この些細な幸福感は この後すぐに無意味になるのであった。

離陸し、しばらくして ベルト解除になると
あちこちで立ち上がる人々。
自分の1つ隣の男も立ち上がる。

飛行機慣れしていない自分には 何が起きてるのか全く理解できない。
何事か?と周りを見ていると
皆 空席を探し3人掛けのシートを見つけて寝転がっているではないか。
飛行機って こんなにフリーダムなの?と
カルチャーショックを覚える。
(これを最後に海外旅行してないので普通かどうかは知りません。)

隣が空席で感じた喜びは
空席になった3人掛けシートに嘲笑われるかの様で 少々の敗北感を感じながら
郷に入っては郷に従え
との教えに習い 戸惑いつつも のびのびと横たわるのであった。

窓から見える景色はひたすら空。
変わらず空。とことん空。
なんの変化も無くひたすら飛行機は飛び続ける。
単独でのツアー参加の為 お仲間が居る訳もなく
ちらほらと まばらな乗客に日本人も見当たらず
ただただ1人座席で寝転んだり 座ったり
本を読んだり。
無駄に上がったテンションは
眠気を誘う事もなく 独り退屈と対峙し続ける事
約9時間。
それまで代わり映えしなかった景色が
真っ赤に染まり始めた。
初めて飛行機から見る夕陽は壮大で綺麗な物でした。
そうこうする内にベルト着用の合図
まもなく到着。
日本人的な思考だと指定の座席に戻るべきかと考えるが誰1人動きは無く そのまま居る場所で着陸を待っていました。

到着後 流れに身を任せ入国審査に向かうと
微かな違和感が。

ちらほらと日本人が居るのです。
エコノミーには居なかっただけで
同じ飛行機に日本人は居たのですね。

つまらない敗北感が沸き上がりました。
とりあえず
高い席に乗らなくても
快適に寝転がって来れたもんね。
そんな負け惜しみを心で呟きその場をしのぎます。
順調に荷物を受け取り
空港出口へと意気揚々と進んで行く。
近づいてく出口の扉
この先に
この扉を抜ければ
そこは憧れの地 インド。
(厳密に言うなら空港内も既にインド)

旅の始まりです。

そうだインドに行こう。3

そうだインドに行こう。3

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted