情動
君の瞳は 月に浮かぶひとつの黒点
不安
君のコードをいまでも憶えているよ
きみの暗号を
分析官はすぐれた調書をしたためつづける
空間の規律をいくつも何次元にも手を加えながら
でも自然に
古い本に、色に、景色に、海に、空に、あらしに
帰属意識を持つ者たち
骨董品のようなふかい木の色とロウソク
さざ波の音
そしてそれは音楽になった
音楽の広げる次元に存在する間精神は原始的で普遍的な形に変身する
それを真実と呼んだ
やって来た者たち
たったひとり、みんな
きみは忘れられない思い出で、香水で、蒸留酒
そして生命の源の嵐の夜と 翌日の晴れあがった青い浜辺
情動