そうだインドに行こう。2

旅立ち前。

ようやくインドへの旅立ちが決まり
徐々に荷造りやら買い出しやら
準備を進めていきました。

当時 夜の仕事をしていまして
仕事終わりに飲んで帰ると言うのがお決まりのパターンで家に帰るのがどんなに早くても0時
遅ければ3時位の生活リズムでした。

当時 バイト仲間に中学からの友達が居て
旅立ち当日に成田空港まで車での送りをお願いしていました。
飛行機の出発時刻は11時。
余裕を持って朝の7時に迎えに来て欲しいと伝え
了承いただき 全て準備万端。

少々の寝不足は 否応なしにあがるテンションで補えるだろう。と 普段と変わらない生活パターンをなぞり
帰宅したのは午前3時。
4時間位は寝れる計算。
どうせ飛行機でも寝れるし大丈夫。
そう思い
布団に身体を沈め 目を閉じる。

少しの静寂。
それを忌み嫌うかの様に
電話のベルが鳴り響いた。

困惑の中 重い瞼をこすりながら時計に目を向けると
時刻は4時半。
通常 こんな時刻に電話が鳴るコトなどあり得ない。
微睡む重い身体を引きずり受話器を取ると

『今から そっち迎えに行くから♪』

と 友達の屈託ない 明るい声。

「は? いやまだまだ時間早いし・・・
とこぼれそうな言葉を
グッと堪えました。

その理由は面倒なお願いをしてる引け目。
でも あるが
何よりも 彼は寝起きが悪かったのだ。
一度 寝入ると なかなか起きない。
起きたとしても しばらく動かない。
二度寝させてしまえば きっと昼過ぎまで寝てしまうだろう彼の発言を遮る勇気は無かった。

結局の所 彼は7時に迎えに来て欲しいと言う申し出を
7時に成田空港に到着したい
と 大きな勘違いをしていたのでした。

こうして
絶対的な寝不足のまま
彼の到着を急いで身支度をしながら迎え
そのまま成田空港へと向かうコトになりました。

夏休みの時期も過ぎた平日の早朝5時。
案の定 道路の交通状況は良すぎる程で、
彼の勘違い通り 7時には成田空港に到着を果たす。

このまま1人で搭乗時刻まで時間を潰すのは
かなりの難題。
半ば無理矢理に友達を引きずり
開いてる店で朝食を共にするも
ものの30分程度で 彼が口にした言葉
『なんか眠くなってきたから帰るわ』

えぇ~?
こんな滅茶苦茶な時間に置いてきぼり?

とは 言いたくても言えず
なにせ東京西部から成田空港まで往復させてしまうので
出せる言葉は勿論
「ん ありがとな。」
それ以外はあり得ませんでした。

今と違い 携帯電話、スマホなどまだ普及してない時代。1人で時間を潰す方法は 本を読むか 酒を飲むぐらいしかありません。(個人的見解)

ただ これから旅に出るのだから
あまり大荷物にする訳にもいかないので
空港内をぐるぐる散歩しつつ
雑誌、小説、インドのガイドブックの3冊を購入し 飲食店で1人寂しくビールをちびちびと飲んですごしました。

そして待つこと3時間
長い孤独な時間を乗り越え
ようやく待ちに待ったアナウンスが流れ
飛行機へと乗り込んで行きます。

そうだインドに行こう。2

そうだインドに行こう。2

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-05

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