イメジトリーランド

こっちを視ない君の横顔が
壊れそうで愛おしく視えた
少し窮屈な乗り物の中
何も抱けず並んで墜ちた

愉快に笑い先行く君は
人差し指で魔法をかけた
握り締めた未来への想いは
青空見上げて廻って消えた

静けさが鳴いた部屋で
記憶は独りぼっち
どうやらおかしいな
あんなに賑やかだったのに

捜そう
さあ目を閉じて
拾おう
空振ったって

次語る時の言い訳に出来る様に

上がって下がって急スピードで曲がって
きっと宇宙から見たら座標も変わったりしないのに
溜め込んだ憂いの残像のような列に並んで
本当に楽しそうに僕は笑ったんだ

例えどれだけ僕の中から居なくなっても
過去に確かに在ったなら
未来に話せたらいいな

地図を広げて探してみようか
僕らが求めてた感情の場所を
また固定されて訳が分からないまま
ロケットになって景色が消えた

一息吐いた午後三時前
オアシスを見付けて戯けてみせた
雨なんて一粒も見かけないのに
雨合羽に身を包んでゆらりと踊った

何もないイメジトリーランド
誰かが独りぼっち
なんだかおかしいな
ふたりだった筈なのに

笑おう
さあ声に出して
楽しもう
蔑まれたって

もう二度と来ないって淋しくなれる様に

回って廻ってバカみたいにはしゃいで
きっと真正面に過ぎた君は笑っていたのに
キラキラ輝く世界と一緒に目が回って
焦点が合うことなくそれを見逃したんだ

例えば全てが夢の出来事だとしても
ちゃんとお互いに見れたなら
思い出にしちゃっていいかな

覚めないで

揺れる揺れる歯車に巻き込まれて
僕は顔を上げることが出来なくて
蠢めく大きなシステムに眩暈がした
無意識に伸びてきた僕の恥じらいを
君は綺麗に掬い取って
バカにした様に嗤ったんだ

遠くを見て空を見て真っ逆さまに堕ちて
きっと世界は優しく綺麗に積み上がって
舞台裏で破裂しそうな哀しみの連鎖を
僕らは喜んでそれを打ち壊したんだ

例えばお気に入りの曲を枕に目を閉じて
次に微睡みの中
目を開けたなら
夢にしちゃってもいいかな

イメジトリーランド

イメジトリーランド

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-04

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