メンヘラへのラブレター
これは楽しい小説ではありません。
メンヘラだと自覚がありメンヘラをやめたい人、メンヘラが嫌いな人へ向けた作品です。
まだメンヘラをやめたくない方は見ないでください。
ここには私と彼と女がいる。
女と彼はアラサー同い年。私は20代前半。
女は悲劇のヒロインタイプのメンヘラ。
彼はなよなよした精神的に幼い泣き虫。
私はそんな彼を愛した事によって泥沼に自ら足を踏み入れた愚か者。
この作品にはこの3人しか出てこない。
すべてこの3人の中で起こった事。
3人が出会ったきっかけは一つの仕事。
始まりは10年近く前、私と彼がまだ出会う前。
女には好きな人がいたが金遣いの荒い男だった。
その男にかまってもらいたくて女は身体を売ってお金を稼いでいた。
そこに彼は女を助けまいと現れ、女はしめしめと彼を捕まえた。
女は彼をキープした。
彼は頭が悪く正義感に溢れていてまさしくメンヘラホイホイ。
寂しさを埋めるにはうってつけだと女は思った。
寂しい時には彼を呼んだ。
そして彼は女に身体を売るのは辞めろ、俺がなんとかする、と女に仕事を辞めさせ
いつしか女と彼は付き合うようになった。
それが続いたのは半年にも満たなかった。
せいぜい3.4ヶ月と言ったところか。
「やっぱりあの人が好きなの。」
女は彼を捨てた。
彼は女が好きだった。とても泣き、落ち込んだ。
しかし女はそれからいろんな男と付き合っては別れ、その度に「寂しい、助けて」と彼に連絡をした。
彼はその頃にはもう立派なメンヘラホイホイだった。
メンヘラホイホイはメンヘラをホイホイ呼び寄せるだけでなく、メンヘラにホイホイついていくのだ。
都合の良いようにいつまでも使われる彼。
自分が良いように使われてるとも知らずいろんな女に利用された。
月日は流れ今から4年くらい前の春。現れた高校生の私。
魔の仕事に足を踏み入れた何も知らない若い私。
この頃の私はまだ幼く、好きなように遊んでいたため男はすべて自分の意のままに出来ると勘違いしていた。人類(特に男)を見下して生きていた。
彼は私の5年先輩。女は私の8年先輩。
彼と出会って仕事をした日、私はいつも通り人を見下していた。自分が1番正しい、何故私が否定されなきゃいけないのかと喚いていた。
そんな私に彼は言った。
「君は人間として終わっている。何か言われればでも、だって。人の話を聞きもせず、目上の人に謝ることもない。」
私は衝撃だった。
男はみんなちやほやしてくれた。
私にそんな事言う人なんて一人もいなかった。
いや、その時の私は誰の言葉も胸に響かなかった。
たった1人、彼の言葉だけが、私に突き刺さった。
私はその時から変わると決めた。
つまらない意地やプライドの為に「でも、だって」を使うのをやめた。
人の話を聞き、見て、学ぶ。それを繰り返した。
そして私はそれと同時に彼を好きになった。
「あぁ、私は一生この人と生きる。この人と結婚する。」
そう思った。
そこからはアタックの繰り返しだった。
彼へアピールし、会いたいと言い、会って話す。
何回か繰り返し冬も少し終わりが見えてきた頃。
彼とは何度か会って仲良くもなった。
彼は私に良くしてくれるようになった。
これは脈があると、私は感じていた。
そんな時に彼から連絡が来た。
「あぁー、心折れた」
どうしたのかと聞くと、彼は彼女に振られたらしい。
これは作中の女ではなくその他大勢メンヘラの1人。
何週間何ヶ月しかもたないまた良いように使われただけの関係だった。
私はその言葉にショックを受けた。
あんなに脈があると思っていたのに!
彼は私の事が好きだと思っていたのに!
彼は聞く。
「なんで(私)はそんなに俺に優しくしてくれるの?」
ずるい。そんな事を今聞くなんて。
私が彼を好きだからに決まってる。
彼は驚き戸惑っていた。
「俺、後輩だとしか思ってなかった。」
私は呆れた。
後輩だとしか思ってないような態度じゃなかった。
彼は私に良くしてくれていたのに。
好きだとしか思えないような態度をとっていたのに。
今思えばそこでやめるべきだった。
ここから私の地獄が始まろうとは思ってもみなかった。
私は自ら地獄に飛び込んでいったのだ。
彼と女が作る、地獄に。
女は私の事をすぐ知った。
私と彼がその後すぐ付き合い出した事も。
女は私が気に食わなかった。
いや、その時はまだもしかしたら、今までのその他大勢と一緒だと思っていたかもしれない。
しかし私は違った。
私と付き合って彼は少しずつ変わっていった。
私は彼を変えていった。
そして彼から過去の話をきき、変えると同時に、彼にもう嫌と言うほど同じ事を言った。
「あの女だけはもう関わらないで。ろくな事にならない。絶対にやめて。」
彼は毎回「なんでそんな事言うの、嫌いになって別れたわけじゃない、悪い人じゃない」と言って私と喧嘩になっていた。
私は気付いていたのだ。
女が度を超えた悲劇のヒロインタイプのメンヘラであり、表情仕草言葉を巧みに使って馬鹿な男を操る女の中の女だと。
この時はまだ何も起こらないことを願っていた。
まだ自分で彼を変えれば、どうにか出来ると思っていた。
しかしそこからも女の攻撃は度々続いた。
気まぐれに来る連絡。
きっと私が知ってるよりもっと多く攻撃は来ていた。
職場でも女は私にいい顔をしなかった。
嫌味を笑顔でさらっと言ってきたし、今思えばあれは牽制だった。
「彼は(女)のものなのよ。」
「絶対にあなたには渡さない」と。
でも私も屈しなかった。
そんな中月日は流れ、別れ話も何度もしたがグダグダ乗り越えた何年か後の秋。事件は起きた。
彼と私の付き合いは2年半を超えていた。
私は今まで彼氏はいらないと思っていたので彼が初めて付き合った人で、
彼はいろんなメンヘラと付き合ってふられてを繰り返していたので数ヶ月しか人と付き合ったことがなかったのでこんなに長く続いてる人はいなかった。
2人は同棲をしようと計画し、家も決めていた。
そんな中、2人で遊びホテルに泊まって、もう寝ようかという時
私の携帯が光った。
私に女から初めての連絡。
「突然ごめんね。実は、彼と(女)、去年の冬からGWにかけて付き合っていたの。まだ(私)と付き合ってるのかとか疑っちゃって、そのせいで仕事できつく当たってるように見えてたらごめんね。でもそんなつもりはなかったし、あなたと仲良くなりたいし仲良くなれると思ってる。」
私は怒りに震えた。
寝ようとしてる彼を起こし、連絡を見せた。
どーゆうことなのか、と。
確かにこの時期は彼が精神的に余裕が無いと別れを告げてきて連絡をとっていない空白の2週間があった。
彼は、別れを告げたのはこのせいじゃないけれど、別れを告げて私と会ってない期間に女から連絡があり、何度か会って、1度ヤったと言った。
でも付き合った記憶はないし冬に終わっていたと。
付き合ってたかどうかなんてどうでもいい。
私は単純にその事実が、
私があれだけこの女はやめろと言ったのに何も考えず学びもせずホイホイついてったこの事実が
悔しくて悲しくて、絶望しかなかった。
でも絶望はそれだけじゃなかった。
彼は私にアクセサリーなどは一切身につけないと言っていたのに一年前くらいからネックレスをつけていた。
身体の疲れが取れる磁気が入ったネックレス。
私があげたZippoや鞄などもろくに使わないくせに、そのネックレスだけは家族にもらったと言って風呂も寝るときもつけていた。
あろうことかそのネックレスが、この女にもらった物だと自白し始めた。
よくもまぁそんな事を私に言えたな、と。
もう全てがどうでもよくなった。
私は彼を愛していて、彼を愛する気持ちと彼への絶望で揺れていた。
同棲は白紙になった。
これは単純に浮気した事だけじゃなく、同棲の準備を進めていく中でひしひしと彼が私を大事に思ってない事が伝わってきたからだった。
大事にしていないと言う表現よりは、彼の精神年齢が幼いと言った方が正しいか。
彼の好きと私の好きは違った。
彼は10代の子が言うような「一緒にいたら楽しい〜!ずっと一緒にいよーね!すきすき〜!」みたいな感情でしかなく
私は未来を見ていた。「同棲をして〇年後には結婚して、〇年後には子供が出来て、仕事も安定し素敵な家庭を作る」
圧倒的な違いが手に取るようにわかった。
そしてこの違いと、同棲のあれやこれやの最中に起こったこの浮気の話。
もう一緒にいられなかった。
距離を置く他なかった。
女はその後すぐにSNSに、自分は彼に嘘をつかれ騙され傷ついた被害者だ、と。彼だけ幸せになれると思うな、といった文を載せていた。
ご丁寧に彼との連絡のスクリーンショットまで載せて。
私はただただ震えた。
それが彼へなのか女へなのか、2人へなのかはわからない。
怒りなのか悲しみか、悔しさなのか切なさなのか
それでも彼を愛している私自身の愚かさへなのか。
何もわからずただ震え、泣いた。
彼はこの事が起こって私に何度も言った。
浮気をした事を本当に後悔した。
もう二度としない。
浮気をして(私)を愛していると気付いた。
(私)をここまで傷つけて、こんな風になってからしか気付くことが出来なかった自分は馬鹿だ。
(私)と一緒にいたい。幸せになりたい。
愛しているんだ。
と。
私にはもう、彼を信じる事など出来なかった。
一緒に行った旅行、あげたプレゼント、何百回も行き来したであろう彼のお家での記憶。
彼との思い出の全てが嘘だったとそう思わざるを得なかった。
だって彼は私に言ったのだ。
浮気するまでの間、付き合うとはそーゆう事だと思って私に合わせていた。
私が彼を必要としているから、自分も私を必要なフリをしていた。と。
そんな事を言われて今までの思い出を信じられる人がどこにいるか。私には無理だった。
そして浮気してからも、私が知ったら怒るから黙って、あの女からもらったネックレスを肌身離さずつけていた彼に私を愛していると言われて
信じられるわけがない。
でも彼を愛している。
こんな事になってもまだ、笑ってしまうくらい愛している。
彼と話したいと、彼に会いたいと、彼と寝たいと思う自分がいる。
時間が解決するのか、それとも彼と終わりになれば過去になるのか…
さて、前書きはこのくらいにしてここからが本題である。
すべての悲劇のヒロインメンヘラへ送る
私からの愛の言葉。
もちろんあの女に私が言いたい事である。
お時間の許す限りお付き合いいただきたい。
では、どうぞ。
悲劇のヒロインメンヘラの皆様。
これを見ているあなた達が何歳なのかは存じ上げませんし知る気もありません。
10代ならまだまだお年頃。
これから学べば遅くはありません。
20代前半ならそろそろきつい。
20代後半なら周りを見てください。もうそんな人間はいません。
30代40代は手遅れです。もう現実を受け入れる事は出来ないでしょう。誰にも相手にされなくなり、みんなからヒソヒソと、「あの人はやばいぞ」と言われて生きていくしかないんでしょうね。
いつまでままごと遊びをしているのですか?
あなたのしている事は現実であって現実でない。
すべてゲームです。
あなたは本当に心の底から悲劇のヒロインだと思っていますか?
だとしたら何を根拠に?
家族がみんな殺されて天涯孤独?
幼い頃にレイプされた?
学生時代いじめられてきた?
人から愛されない?
生きてる事に喜びを感じない?
天涯孤独の人やレイプされた人は生きていくためにもっと現実を見ているでしょうね。
いじめられてきた人は真っ当じゃなくとも、生きて成長していけば自分や相手の考えと行動に気付きまともになることでしょう。
人から愛されない、生きてる事に喜びを感じないならば現実を見なさい。
現実を見て向き合って生きていれば必ず自分を支え、愛してくれる人が現れます。
あなたはそれに気付いていない、もしくは出会っていないだけ。
現実を見て、人と向き合う事は容易いことではありません。
でも、自分と、周りの人と向き合う事で見える世界は180度変わります。
あなたがしてきた恋愛は本当の恋愛ですか?
きちんと向き合ってない恋愛はままごと遊びと同じ事。
いつか崩れる作り物です。
そんなもので満たされるはずがない。
生きてる喜び、人から愛されるのがどういう事か知りたければ、自分を見て、相手を見て、考え、知るべきです。
あなたが今までしてきた事。
相手が今までしてきた事。
あなたが今思ってる本音。
相手が今思ってる本音。
あなたがこれからしなければならない事。
相手がこれからしなければならない事。
相手の事がわからないなら、わかるまで聞いてください。何度でも。どこまででも。
聞きづらい事も、聞いたら傷つくであろう事も。
見て、知ることが第一歩です。
知る事が出来たなら考えましょう。
これからどうするべきなのか、どうしたいのか。
そして学びましょう。
人間とはどーゆう生き物なのか。
自分とはどんな生き物なのか。
毎日が勉強です。
出会い話す人すべてを見て知って学ぶ。
それが生きていくということです。
いい事も悪い事も全部が勉強です。
学ぶのは疲れる。
でもとても重要で、必要で、必ずあなたの力になる。
人に愛されるため、かまってもらうため、必要とされる為に
表情仕草言葉を計算高く取り繕って嘘をついて生きる事、
そんな事は虚無感と寂しさを増やしていくだけです。
何かある度に誰かのせいにしていませんか?
でも本当はわかってるんじゃないですか?
生きてる上で、誰かのせいなんてとても少ない。
その道を選んだのはすべて自分。
全部自業自得です。
自分のせいだと受け入れる事はとても大事です。
幼い時は誰かのせいだと言えても、働ける歳になったら誰かのせいなんてほぼありません。
自分で考え行動した結果が、今です。
あなたがしてきた事、あなたがされてきた事は少なからずあなたが自分で選び歩んできた道。
すなわち自分が招いたことです。
いい事も悪い事も全部。
だってあなたの人生ですから。
自分に空いた穴を埋めたいなら、自分で勝負する。
自分という人間で正面からぶつかっていく。
現実を見たくないだけのメンヘラならわかっているはずです。
本当の自分がどーゆう人間なのか。
もうそろそろ向き合いませんか?
手遅れになってそのまま死んでいく前に、幸せを探しませんか?
あなたなら大丈夫。
私はあなたが馬鹿じゃない事を知っています。
計算高く生きられる人は、考えを変えることさえ出来れば周りの事がよくわかる素敵な人間になれます。
諦めないで。
本気で生きてみて。
自分と向き合って自分自身の持っている性格や表情、言葉でぶつかれば
必ずその先に幸せはある。
幸せの鍵は、人と向き合う事、人について学ぶ事、誰かのせいにせず自分と向き合って生きる事、自分を偽らないこと。
最後に。
甘ったれてんじゃねぇよ糞が。
現実見てそろそろ前向いて生きてみたらどうなんだよ。
なんでも人のせいにしてんじゃねぇ。
誰かに助けてもらえると思うなよ。
自分の力で立ち上がれ。
自分の力で這い上がれ。
自分の力で幸せ掴み取ってみろよ。
本気で生きるって苦しいんだよ。
本気で生きるってつらいんだよ。
本気で生きるって悲しいんだよ。
でも
本気で生きるって楽しいんだよ。
本気で生きたら心から笑顔になれる。
本気で生きたら幸せになれる。
悔しかったらお前の本気を見せてみろ。
メンヘラへのラブレター
すべて実体験です。
一部脚色をしているところがあったりなかったりしますが概ね私が見て感じてきた事です。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
何か感じていただけると幸いです。