100円

100円

できれば万札をビルの上から撒いてみたい。
でもそんなお金はない。
だから私は今日も100円。
こんなことをして、
バカみたいに思われるだろうけど、
でもやめられない。

今日は公衆電話の上に100円置いてきた。
通勤途中にあるその公衆電話のボックスに
人が入っているのをあまり見たことがなかったが、
帰り道に確認したら100円は無くなっていた。
よし、今日も誰かの役に立った。
よしよし。

顔も知らない見知らぬ誰かがその100円を拾って
少し幸せになってくれるなら私は嬉しい。

私はそういう日常に起こる小さな幸せが好きだ。
ポケットの中にフルーツの飴を適当に何個か入れて、
袋を見ずに破って口の中に入れて味を確かめる。
好きな味だったらちょっと幸せ。
通勤途中に好きな雀が見れたら幸せ。
デジタル時計をふと見て、偶然自分の誕生日だと幸せ。

人が聞いたら笑ってしまうようなことかもしれないけど、
でも、私がそれを幸せだと思っていたらそれはそれでよいのだ。

全てはそこにある気がする。

そんな小さな幸せを誰かに与えることはなかなか難しい。
だから簡単にお金。
100円。
なんで自分でもこんなことをしているのかはわからないけど、
誰にも迷惑はかけてないからよしとする。

さて明日は、どこに100円を置こうかな。

100円

去年の7月に書いたものです。
FC2から持ってきました。
今まさに書こうと思ってたからちょうどよかった(笑)
もうちょっと足したい気分ですが思い出になるようこのままで。

100円

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-01

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