良薬は口に苦し

案外私は、劇薬を飲んでいたんだなと自覚した今日。

薬を長いこと口の中で転がしていたら、途端劇薬に変わった。

夜のことである。

薬を飲み、おやすみーと上がって来て、自室にて太鼓のお囃子を聴きながら、「やっぱり参加することは無かった」と祭りについて思いを馳せる。

薬が一錠、口内に残り、長く放置していたら、甘かったコーティングが取れ、途端劇薬に変わった。
私は夜の薬を飲まないと悪夢にうなされる。
そうかこんなにも私は劇薬を飲んでいたのかと、今更ながら気が付いた。

今日も夕飯に手が出ず、無理やり食パンを一枚焼いて食べた。
恵まれた生活になったというのに、なんたる贅沢か。魚が食べられなくなった偏食の塊を、祖母はどう思うだろうと思っていたら、「ええやん、そういうときもあるで」とこの柔軟な人は味方してくれた。気が若い。

昼間、家の前で祖母の仇が「孫らー帰って来てええなあ、羨ましいわ!」とちっとも馬鹿にしていることにならないことを口走っていたので、祖母が勝つようにしてあげようと思う。
テレビでキューピーマヨネーズの会社の番組を見ながら、「キューピーちゃん、キューピーちゃんだ」と笑い、達人が速攻技で卵の殻を取り除くのを「おおー!」と声を上げて見ながら、私たちは熱狂した。

二階に上がり、父に「今の環境、なかなかええやろ」と言うと、「そやな、前よりええな」と言うので、「まあ、よく寝に来なさいな」と声を掛けておいた。
彼は来週から、また一人ぼっちの生活を強いられるのだ。

どうしてそんな、可愛そうなことを。

そう皆が思っているのだが、男にはやらねばならぬときがあり、まだここで安心するな、と先人の言葉なのだろう。彼は貫徹する。きっとやりとげる。そう信じている。

私のことだが、相変わらずどこへ行っても相手にされず、話がわやになって終わるので、働けずにいる。
まあこれも私なりの世の中への復讐だよと、祖母と話す。祖母は「私以外には言うな」と口止めした。もちのろんだ。

薬を、減らしていけないものか。
まあ早死にしようが構わないのだけど、中途半端に生きても困る。針の筵のような楽園にいるかのような生活で、私はもう少し人を助けるということを身を持って覚えなければいけない。

所詮来ていらんの精神の人間なのだ。きっと後々後悔するだろう。それがわかっているから、どうにかこうにかやって行こうと従姉妹の赤ちゃんの子守などしている。

駄目な奴だ。相変わらず。
何にも変わってないんだもんな。何を得たんだ、一体、お前はこの27年間で何を得た。
好きな人ばかりにかまけて、寄って来てくれる人を遠ざけて、何がしたいんだ。
所詮自分一番か?と鏡の中の自分に問う。

お前は可哀想な奴だよ、はっきり言って。でもな、それ以上にあらゆる面で哀れだよ。
そんな言葉を掛けたくなる。

もう30手前だぞ。大人になれてないんじゃないか。お嬢さんの年は過ぎた。後は自分次第だ。
散々かわいがってもらった世の中に、貢献すべき時じゃないのか。そんなことを思う。

父と母の小説でも書くべきだろうか。憐れみなど欲しくもない人たちだが。
私はまた余計なことを考えて、割と好き勝手して暮らしてるくせに、鬱でこんなことを書く、と一人ごちている。

案外見守られている。それは自覚してる。
しかし守ってくれるのは父しかいない。それも理解してる。
世の中負けが込めば、敵ばっかりだ。面白がりがちっともいない田舎で、私は面白い要素を見つけづらくて難渋している。

こちらの人は、口が達者だからな。

そう誰もが口にする。
私は言わない主義だが、善行を行い、それを秘密にしている。だから何をしているかは書かない。

いつかわかってくれる日が来るさ。
それも案外今わかってくれているかもしれないのだけど、とまた考え、難しさにううーと来る。

こう、面白い話でも書きたいな、ここまで来たら。

創作を頑張ることを意識してみる。自分語りはいいでしょう、もう。
そう考え、明日から創作を頑張ってみることにする。
以上、では。

良薬は口に苦し

素直な気持ちです。

良薬は口に苦し

良薬は口に苦しとは本当です。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-10-01

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