驚愕!表には出ないレアな刑務所犯罪!

 えっ!?まさか?本当?やっぱりそうゆう事ってあるんだ・・・と。
なかなか聞こえてこない刑務所での実話を元に作成したお話しです。

 最近は刑務所暮らしを求める人が増えてきてるとかで・・・。

 「俺、誰にも迷惑かけてないっスから・・・」
が、口癖だった男は川田という名の男である。
 その川田の刑務所内での体験談が凄い。
話しの完成度を高める為、事実の隙間に私なりの想像を交えてお届け致します。つまり、
・・・・私小説、ですね。では早速。

 当時、川田は私の部下だった。
その川田という男、ダンディーなチョイ悪おやじ。見た目は”舘ひろし”。
毎日完璧に5分きっかり遅刻して出勤する。しかしリーゼントが乱れてのご出勤は一度もない。
しかも手には必ずコンビ袋がぶら下がっており、
 ”遅刻より腹ごしらえ”
との彼の強い意志が窺(うかが)えた。

 さてその川田だが、過去2回の刑務所暮らしがあると言う。
その服役理由は。
 ”恐喝”
との事。
 ”何故、恐喝を?”
との話しになると今回の趣旨に反するので割愛させていただく。
 では今回の話しとは何ぞや?
 はい、お答えいたします。それは
 ”服役中に起こった事件”
です。
それはこんな話しでした。
 ~以下、物語風~

 川田は2回目の実刑を、とある刑務所の中で過ごしていた。
その事件は就寝中に起こった。

 「はい、私・・・いえ、自分はハッキリと覚えております。当たり前ですよ、被害者なんですから・・・」
 「ちょ、ちょっと待って下さい!そんな事は絶対にないです!自分の事なのでハッキリ覚えています」
と、2人の男性受刑者が刑務官に向かって訴えているのであるが、どうやら意見が判れている。
 どうやら、被害者である男性受刑者Aが訴えるには
 ”刺された”
との内容である。一方、加害者であろう男性受刑者Bは、
 ”俺は刺してねぇ”
との事。
もちろん加害者が刑を逃れる為に方便を使う気持ちは分かる、が、刺したか刺されたのか位はすぐ分かりそうなものである 。
 分かっている事は、以下の様になる。
 ・加害者Aがいる。
 ・被害者Bがいる。
 ・共同室(いわゆる雑居房)で事件は起きた。
 ・就寝時に事件は起きた。
 ・目撃者はいない。
 ・ゴソゴソと物音を聞いた者はいた。
 ・被害者であるB受刑者は周りからから”かわれる対象”になっているフシがあった。
 
 とは言えやはり事件が起きた場所が刑務所内だけにとても血生臭い。
調書を取る担当の刑務官も、刑務所内での不祥事ともなれば責任問題だ。出世に悪影響を及ぼす可能性だってある。
したがって真剣そのものである。勢い、発する言葉にも力が入る。
 「で、もう一度聞くが、241番は刺してない!と言うのだな!」
 「はい、自分は刺しておりません」
受刑者Aは、気をつけ!の体制で答えた。
 「271番!271番は、”先っぽくらい”は、たぶん入った、と言うのだな?間違いないか?」
 「は、はい、もちろん・・・です。自分の体の事ですから、分からない訳がありません・・・」
受刑者Bは気が弱いのか、刺された傷が痛むのか、少しもじもじしながら答えた。
いづれにせよ、ふたりの意見は喰い違っていた。
 「ふたりとも、後ろから、という事実には相違ないな?」
その質問にはふたりとも”はい”と答えている。
 となればそれは、殺傷未遂か?――――
ただならぬ空気が雑居房を覆いつくしていた。
 もしかすると誰ぞが嘘をついている可能性だって否めない。
どんな理由かは知らないが少なからず刑務所にいる人間達の言う事である。油断は出来ない。
しかし謎はドンドン深まるばかりであった。
 黙りこくる囚人ふたり。
周りにいる同居人達も皆うつむいている。
刑務官も後ろに手を組みウロウロするばかり。
 怪我らしい怪我も見当たらない。そんな事件は簡単に解決すると、誰しもが思っていた。
しかし、そうではなかったのだ。意外と奥が深いかもしれないと、皆が思い始めていた。
 そんな重々しい空気中、刑務官が口を開いた。その一言がそこに居た全員を驚嘆させることになる。
もちろん、川田も例外ではない・・・。

 「どっちでも、い・い・よ!」
・・・刑務官もひとりの人間である。かなり激高したらしく、大声を張り上げた。
冷たいコンクリート壁の室内を、ピーンとした空気が張り詰めた。皆、刑務官の次の言葉を待つしか無かった。
 「あのさ・・・・・」
皆、ゴクリと唾を飲んだ。刑務官は口を開いた。
 「どっちでもいい!もう、いい!知らん!!」
 呆れた風な言いぐさであった。そう、まさしく呆れたのである。
声の余韻だけが静かな房に響き渡っていた。
 
 以上、私が直接、元受刑者から聞いた話を元に作成したお話しでした。
拙い文章で恐縮でした。そんなものを皆さま、最後まで読んでくれて誠に有難うございました。

 まぁしかし、私も刑務官さんに共感いたします、本当に!
つくづくこう思ったでしょうねぇ、職務とは言え、
 ”男性受刑者同士の情事の調書を取るのはもうこりごりだ!”
・・・と。          合掌――――。

驚愕!表には出ないレアな刑務所犯罪!

 刑務官の気持ちが痛い程分かる。人間臭い刑務官の叫びが私の心に響いた。実はよくある話なのかもしれませんね。

驚愕!表には出ないレアな刑務所犯罪!

その事件は就寝中に起きた。あくる朝、刑務官の取り調べが始まる。いったい何が真実か?いや、もしかすると真実ってのは・・・。

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更新日
登録日
2016-09-29

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