期待

期待

 何を期待しているのだろう。
 なぜ、自分を隠すのだろう。
 表現しようとするのだろう。
 誰に期待しているのだろう。

 期待していないのなら、何もしなければいいのに。
 何か意味があって、何かをするのだろう。
 何かを、期待してしまっている自分がいる。
 誰かと繋がりたい自分がいる。
 伸ばした手を、一体誰が掴んでくれるのだろうか。
 誰かが差し伸べた手に、自分は気付くことが出来るだろうか。

 こんな身勝手な、自分のことしか考えていないような存在を気にかけるような、そんな誰かが、いるのだろうか。
 いたとして、それに気付くことが、出来るだろうか。

 ただ期待するだけで、何もしない。
 自分から動かないから、何も起こらない。
 いつしか手を伸ばすことにも疲れて、伸ばされた手を見つけようともしなくなって。

 そうしてこれは、生きているのだろうか。
 こんな状態を、生きているといえるのだろうか。

期待

期待

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-20

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