咆える

  ことばがなんだというのか。

  方言がなんだというのか。


  それは私が生まれ育ったふるさとが、

  私に刻みこんだ、まさに彼の地の生まれであることの証。


  郷に入りては郷に従え。


  されど、おくにの調子をすべて消すは、至難の業。


  ならば、認めよ。

  自身の生まれを。

  ならば、誇れ。

  彼のふるさとを。


  泣きたくなるほどの懐かしさと、

  胸をかきむしらんばかりの郷愁を。

  その身の内に押しこめ。


  彼の地に雄然とある、

  猛々しく咆える山のように。


  胸をはり、毅然と頭をあげよ。

  胸をはり、悠然と笑え。


  そしてこの地に、根を下ろせ。  

咆える

咆える

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-19

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