先客

 朝、会社のビルのエレベーター前は列をなしている。決まって私の前には上司、後ろには後輩が並んでいる。エレベーターが到着し、皆がエレベーターに乗り込んでいく。18人目で重量オーバーのアラームが鳴り響く。このビルのエレベーターは17人乗りであった。

 次の朝、いつも通り皆がエレベーターの前に列をなしている。今日は私の後ろに後輩はいたが、前には上司の姿は居なかった。エレベーターが到着し、次々皆が乗り込んでいく。17人目がエレベーターに乗り込んだ。すると、不意にアラームが鳴り響いた。今日は16人を乗せて、エレベーターが動き出した。

 次の朝、いつも通り皆がエレベーターの前に列をなしている。今日は私の後ろに後輩はいなかった、そして前にも上司の姿は居なかった。エレベーターが到着し、次々皆が乗り込んでいく。16人目がエレベーターに乗り込んだ。すると、アラームが鳴り響いた。今日は15人を乗せて、エレベーターが動き出した。

先客

先客

いつもと違うエレベーターに乗り込む人数。そして、居なくなった上司と後輩。どこに行ったのか?

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-19

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