勇者様は辛いのです。 2.5
「彼女の過去」
今回は零様とルイくんがメインです
月明かりを浴び、妖艶なまでに美しい零。そこへ一人の男が歩み寄る
「何だ?ルイ・・・人の背後に回って・・・」零が不審そうにルイを見る
「いえ、何も・・・・」ルイが首を振る
「そうか・・・」
零が短く答えてから沈黙が続く
・・・・・ルイが口を開く
「なぜあなたはそこまで美しいのに人に恐怖を与える?あなたほどの方なら恐怖を与えずとも人々を従わせれるハズだ。なのに、何故?」
今まで疑問に感じていたことを口にするルイ
「・・・人というのは残酷な生き物よ・・・人を愛し慈しみ・・・しかし時に人を恨み死に追い詰める・・・命の大切さもわからずに人を死に追い詰め、殺し・・・私は親に捨てられた、殺されそうになった子どもたちを家族としてこの村へ招いた。しかしこの村にだって人はいる。今までにも私が連れてきた子どもでこの村の住民に殺された子はいる。だから、絶対的権力を見せつけているのだ。私のしていることが正しいことだとは思わない。子どもを招くことも、絶対的権力を見せつけていることも。むしろ、残酷かもしれんな・・・」
どこか寂しそうに答える零
「あなたもそうだった・・・」
「!?」ルイの突然の一言に驚きを隠せない零
「少しだけあなたの記憶を覗かせて頂きました。あなたも昔そうだったんですね・・・親に捨てられ、周りに恨まれ酷いことをされた。何度も死を考え一度は死のうとした。でも、ある男に助けられた。そしてあなたは生きる道を選んだ。それから数年後その男は殺され、あなたはその男の意思を引き継いだ。”命を人を大切にする”という意思を・・・」
「・・・・・・いかにもそうだが・・・お前それは少しだけ覗いたなんてレベルじゃないだろ・・・」 ふてぶてしく呟く零
確かに、とルイが笑う
「あいつは今の私を見て何て言うだろう・・・」遠いところを見る零
「わかりません。でも、俺なら”その子どもたちや村に命の大切さを教え、人を信じる心、愛しく思う心、優しい心を思い出させたら、お前のしてることは必ずしも間違いだとは言えなくなるんじゃないか”そう言いますね」
「あいつもそう言いそうだな・・・」
零が弱々しく微笑む・・・
もう少しで夜が明けようとしていた
ー続ー
勇者様は辛いのです。 2.5
重たい話ですねえ…
書いてて気が滅入ります(--;)
この話で私が本当に伝えたいことがあるんですね。
それは零様とルイくんが言ってるんですけどね(*^^*)
”命の大切さを知る”が一番、あとは人の心ですね。
次回はルイくんと輝瑠君をメインに書いていきます!
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