カップルと「私」という生き物

あれは冬の日じゃった。

その日、私達は出会った。

あの出会いは、私のカップルへの価値観を大いに変える出来事だった。

私はうどん屋で、きつねうどんを注文し、席に着いた。
隣にはカップル。文学が好きそうな、大人しい感じ。

彼らは私が席に着くと、待っていたかのように語り始めた。

「私らこれからどうする?」
「どうする?」
「その1、車の中でのんびり読書デート」
「デート」
「その2、本屋で立ち読みデート」
「デート」
「その3、家具コーナーで寝具のお試しデート」
「デート」

その4、その5と続くので、私は面白がってゆっくりうどんを啜り、身内に呼ばれて立ち上がった。

彼らは平然としていた。
平和だな、と思った。

その後本屋で再開したが、お互いに無視した。

私とカップルという生き物の、ファーストコンタクトである。

優しさを教わった気がした。
とある日の思い出。

カップルと「私」という生き物

カップルと「私」という生き物

私と彼らという「生き物」。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-16

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