死神と Ⅰ

これを見ている君は、『死神』と呼ばれるものを知っているだろうか。
『死神』とは、生命の死を司るとされる伝説上の神で、冥府においては魂の管理者とされる。各地の個別の伝承に基づいており、統一されたイメ(以下略)
その『死神』が今、俺の目の前にいる。
その『死神』が今、俺の目の前にいる。
(大事なことなので2回言いました。)

ミーンミンミンミンミンミンウィンブィンヴェィンヴェンヴェンヴェンヴェンヴェンヴェンヴェン・・・・・・

8/22

 暑い・・・。
まったく、夏はやっぱり嫌いだ。
だって暑いもん。
焼け死んじゃうよ。
冬が恋しい。
でも多分、冬になると「夏が恋しい」みたいなこと言うんだろうなぁ。

俺の名前は「高崎優」。
(歌手に「高●優」なんてのがいたような気がするが、
それとこれとはまったくまったく別問題。)
ごく普通の高校に通う、ごく普通の高校2年生だ。
趣味はアニメ鑑賞や、漫画を読むこと。
友達はそこそこ多いほう。
彼女はいねぇよ!悪かったな!リア充●ね!


・・・っていうか、何だよさっきのセミ?
何だよヴェンヴェンヴェンって。バイクか。
新種?新種か何か?
博物館に持ってったらなんか賞もらえる?
いや、そんなことより今、夜中なんだけど。夜中の2時なんだけど。
夜中にセミが鳴くってどうなの?
あれ絶対、新種じゃん!ちょっと今から捕まえて━━━

ピーンポーン

「うひっ」
わぁ、なんかすんごい変な声出しちゃったよ。恥ずかしい。
しかも、小説の第一声が「うひっ」って。
何この小説。恥ずかしい。

ピンポーンピンポーン・・・・

「はいはい、今出ますよ。」

ピンポーン・・・・

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン卓球卓球卓球卓球落球

「うるせぇよ!今何時だと思ってんだよ殺すぞ!」
 言っちゃいけないことを言いながら、俺はドアを思いっきり開けた。
「あっ、どうもニーハオ!私と契約してください!」
「断る!」
そう言って俺はドアを思いっきり閉めようとする。
「ちょちょちょちょちょちょ、何で閉めるんですか!っていうか!断らないでください!即答しないでください!おかしいでしょ!こっちのほうが圧倒的に有利なのに!」
「『圧倒的に有利』って何がだよ!」
「何で私に聞くんですか!」
「お前が言ったんだよ!」
我ながら、ナイスツッコミ。
「っつーか手、離せよ!閉めれねえじゃねえか!」
そう言って、俺はドアを閉める力を上げる。
「イタイイタイイタイイタイ痛いですよ!あぁっ、指が!指が飛ぶ!」
飛ぶの!?それはそれですごいな!
「ちょっ、まぁまぁとりあえず家にあげてください!怪しいものじゃありませんから!」
「家に無理やりあがろうとする時点で怪しいよ!!」

っていうか、この子の格好、何?
コスプレか何かかな?魔法少女?
「いいからあげてください!あげろ!あげやがれ!・・・・・でないと・・・」
「?」
「全部、殺しますよ?」
「や、やめろ!さっき『殺すぞ』とか言っちゃったけどやめろ!『全部』ってなに!?家族とかそういうこと!?怖いわ!」

・・・で、そのコスプレ大好き魔法少女サマが俺に何の用だ?
・・・契約?確かこの子最初、契約がなんやらって言ってたな・・・。
意味不明だったから即、断ったけど。
「わっ、わかりました!じゃあここで話します!だからッ!指!指ィィ!」
かなり痛そうだったので、俺はドアを開けてやった。
「わっ」
「うおっ」
コスプレ大好き魔法(以下略)が、俺に向かって倒れこんできた。
もしもこれがギャルゲーとかなら、

『キャッ』

ドサッ

『あっ、ゴ、ゴメンナサイ(照)』

『いや、俺の方こそ・・・(照)』

みたいなことになるんだろうが、俺は、
「ぎゃっ」
避けた。思いっきり避けたった。
「痛ぁ・・・。ちょっと!ちゃんと受け止めてくださいよ!それが男の唯一の義務でしょう!?」
「どんな義務だよ!っていうか男の義務それだけなのかよ!」
・・・はぁ、なんかすごい、ツッコミ疲れた。
友達にこのコスプレ大(以下略)と似たようなバカがいるが、それ以上に疲れるわ。
もうやだ帰りたい。
・・・って俺の家、ここか。
「で?コス(以下略)が俺に何のようですかい?」
「なっ!私そんな名前じゃないですよ!」
いや、わかってるけども。
「私にはちゃんと『シャニ』っていう名前があるんですよ!そんなことも分からないんですか?」
「残念ながら俺にそんな超能力はねぇよ!」
シャニ・・・。外国の子なのだろうか・・・?
さっきから日本語おかしいとこが所々あるしな。
・・・ん?いや待てよ、この子最初、「ニーハオ」とか言ってなかったか?
どういうことだ・・・?
「あぁぁっ!!!」
「うわっ」
ビックリしたぁ。
ここ最近で、一番ビックリしたわ。俺の心臓大丈夫?止まってない?
「そ、そ、そ、そうですよ!」
「何が?」
「こんなことしてる暇ないんですって!」
「なんで?」
「契約です!契約!」
「帰れ」
「ちょっ!ドア閉めようとしないでくださうわぁぁイタイイタイ!指!また指!」
いやだってさ、こんなかんじで何かの契約をして、不幸な目にあう主人公とかいるじゃん。漫画で。
ほら、ギャルゲーが大好きな『落とし神』とかさ。
いつか魔女になっちゃう、魔法少女とかさ。
(漫画、アニメ好きならわかる)
「その契約をして、俺になんの得があるっていうんだ?」
「いやいや、契約しないとあなたの命に関わりますから」


え・・・?

死神と Ⅰ

何かギャグもの書きたいなーと思い、書いてみたらこうなりました。
続きます。

死神と Ⅰ

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-06-26

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