冬の電車
外気を浴びはじめる人のかおは
紅潮をよわめて外套をうでからはがしている
つらなる、長いへびのような影を見おくると
わたしの冷えた空気を
車内にただよう初夏な風がさわり
こめかみはカルシウムをつくりはじめる
不気味なほどに、不気味なほどに
わたしがへびの頭を任せられると
出入の自動とびらは
寝しずまった外気をとりいれながら開きだした
ゆっくりと、ゆっくりと
冬の電車
外気を浴びはじめる人のかおは
紅潮をよわめて外套をうでからはがしている
つらなる、長いへびのような影を見おくると
わたしの冷えた空気を
車内にただよう初夏な風がさわり
こめかみはカルシウムをつくりはじめる
不気味なほどに、不気味なほどに
わたしがへびの頭を任せられると
出入の自動とびらは
寝しずまった外気をとりいれながら開きだした
ゆっくりと、ゆっくりと
冬の電車