金木犀

秋のふかまる夕の小道は
わずかな、つめたい風でさわさわ揺れている
みちびかれた音とあいまった無垢な香は
わたしを包む
かがやきだした空へも届けて
飽くとおちていく
砂利をふむに驚きながらも
しっかりと後ろを
ついてくる
ついてくる
わたしの服をつかんで
ついてくる
ついてくる

金木犀

金木犀

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-16

CC BY-NC-ND
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