君を知るということ
僕の前に君がいる。
君は美しく、まぶしいほどに魅力的で、深く知りたいけれど、させてはくれない存在。
僕は君を知ろうと心を手向け、あてもない希望を一匙、噛み潰しながら味わう。
君は美しく、海のように深く、波のようにつかめない。いつも僕は君を知ろうとする。でも教えてくれた君は波のようにすぐに消え、また知らない君を教えてくれる。
君の前に立つと、僕は自らの錆に恥ずかしさが溢れる。潮風が美しさと共に物を旧くさせるように。完璧な君は、僕の何がほしいのかな。
返す波に、昨日の僕が、未来の僕が、僕の思い出がいっぱい。
君を知るということ