おかしな天敵
世にもおかしなお話ですが笑。
私はこのゆるい空気がなによりの好物である。
私には、天敵がいる。
そいつは小さく生意気で、意外と苦労性。観察している限り良い奴なのだが私にはまるで優しくなく、今日も生意気に悪戯をしかけてくる。
最初、のどかな田舎で育った私にはその気性がつかめず、「なぜにこいつは私にばかりつらく当たるのだろうか」と不思議であった
さて、こうして日々を過ごしてきた私だが、「はは、うぜ」と思いながら昨日まで無視してきた。昨日まで。
昨日、テレビで女性向けのプチドラマがやっていた。
そしたら天敵と私の名前で、恋人同士が出てきて、なにやら男が初心で手が出せず、青いことを言って最後にはぶちゅーとキスシーンで終わるのだ。
ぶちゅーと、濃厚であった。
まじかー。私はそう思いながら、寝ている母の横で割と冷静にそのドラマを見ていた。
乗りかかった船、最後まで見ようではないか。こんな偶然もあるまい。
天敵の名前の男がいかに女が好きか、とてつもなくピュアに語り、私は冷静に「あのおちびが、こんな大人し気で背の高いバーテンダーになっちゃったりするもんかね」と思った。
まあ男の子と言うのは小さいときは残酷なもんだ。
うちの優しい兄弟も幼い頃はタニシを踏みつぶしてカラスに食わせて遊んでいた。「かわいそうだからやめなよ」と言っても聞かなかった。
まあそんな大人になる可能性もあるか、若いっていいよなー。
そんな感想を思いながら、私は私と450度は違う女優を眺めながら、「いるいる、こういうパーフェクト彼女思い浮かべる奴笑」と思い、その日買ってもらったクレープアイスを齧った。
その日は近所をこれも見納め、と散歩し、「確かここで、ダックスフンドのめろんちゃんを救出した。おじさんが優しい人で良かった」と、その家の花壇に行儀よく花が植えられているのを見ながら思った。
家に帰ると、スマホで何気なく遊んでいたら、悩み事相談で近所のことを書いてる人たちがいて、「郷に入れば郷に従え、適応するか否か」と思い、揉め事ばっか作るなよ、と思った。
それより引っ越したら何をして遊ぼうか。私はそんなことばかり考えて漫画を読みスマホをぽちった。
おかしな天敵
なんか、います笑。