DENNOU/始動編 #1
世界連合政府は地球に生きる国民を管轄下に置くために「番号制」、「チップ制」を施行。あまりにも増えすぎた人口を抑制、管理するために施行された。
生まれてすぐに赤ん坊はチップを注射器により体内に埋め込まれる。チップはGPS機能を有し、また表向きは健康状態の確認ができる、とされているが、"あるスイッチ"ひとつで体に不調をきたし、最悪、死に至らしめることができるという話もある。
利き手ではない方の手首にはリングを装着される。リングには口座、現住所、血縁関係、職業などの個人情報が搭載され、そのほかには自身の口座番号、、財布、通話、また、インターネット、メッセージ、GPS機能を有す。リングには番号が刻印されている。人民番号。ヒューマンナンバー。これはその人、その人の番号であり、世界連合政府により管理されている。人名であると"複雑"というが、番号の方が融通が利くのだろう。
これは死ぬまで外すことができない。もちろん、チップも同様。管理社会化され、雲の上の存在である世界連合政府は一括して人民の管理、監視を行うことができた。通話やネットワークも今更ではあるが、さらに監視、盗聴されるような社会になった。表現の自由は脅かされた。
同時にAI、人工知能のロボットが創出され、多方面にわたる業界で人々の職を奪った。
貧困層と富裕層の二層化がはっきりとわかるようにされた。富裕層は"貴族"として爵位を連合政府の為政者に授けられ、貧困層を奴隷の如く扱えるようになった。
格差が生じると明日の生活さえも確保できない者はやがて野垂れ死ぬ。犯罪者は処刑などせずにボタン一つで遠隔に殺傷できる。あらゆるところにカメラが設置されているので逃れることはできない且つリングが爆破され、同時に脈を裂く。生きれるはずがない。
いくら下にいる民どもが死のうとも世界連合政府はなにも思わない。人口削減の成果である。むしろ喜ばしいことであった。
戦争を奨励した結果に連合政府ができ、つぎは戦争をしないで人口を減らそうと励んだ結果である。
また至高のロボット、「電脳HS」の製作に成功した。
感情を有し、最も精巧、優秀、全世界の科学技術を集めに集めた結果に生まれた電脳HS。有史以来、人類が生み出した最高の傑作。
たった一台の「コンピューター」に全世界を担わせたのが間違いであった。
世界を総べ、全人民の監視、管理機関である世界連合政府が破綻する。
DENNOU/始動編 #1