Musica Mundana

沈黙は全てを明かす。故に寡黙ほどの饒舌はない。なぜならそれは何物も偽らないからである。
声ならぬ声が絶えず、陽気に、高らかに、歌っている。形なき旋律が、滑らかに、軽快に、紡がれている。それはそう、沈黙の中にだけ響き渡る。静寂にこそ、それは共鳴する。完成を急かし、答えばかりを請求する唯物論者は、永遠に不協和音に苛まれてやまないだろう。
その音楽は、耳だけに独占させてはならなかった。全身全霊をもって、その響きにうち震えねばならない。背筋をおののかせ、脚をすくませ、なし得る限りの振れと緊張をもって、体現しなければならない、その恐るべき音楽を!
オルガニストの骸が横たわる教会。宇宙の沈黙を独り祈れ。星々の瞬きが織りなす響きに鳴り渡れ。

Musica Mundana

Musica Mundana

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-13

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