浜辺の土産屋

父が神奈川の逗子市に住んでいるので、高速バスに乗って行くのが毎回の手段だ。
いかんせん新幹線は高過ぎる。片道1万4000円なり。

今回は江ノ島に早朝7時に着いた。
早く逗子に向かっても親は寝てるし迷惑だろうから土産屋で時間を潰す。

浅草寺の仲見世通りの様な、鎌倉の小町通りの様な、昼前になったら人がごった返すんだろうなといった情緒ある通りが前に広がった。
とりあえず唯一開いている漬物屋に入ろう。

暖簾を潜ると女将と目が合う。
「おいでやす〜」
関東なのに何故関西弁?というか女将を何処かで見た事があるなと考えてたら新喜劇の女優さん。いんがすんがすん。
店内を見渡すと漬物6割の新喜劇グッズ4割。
関西から来たのに関西企業の関西臭バリバリのところに何で入らなあかんねん。

でも時間は潰したいから店内をウロウロ。
なんだかんだ漬物は美味しそうだから試食を頼むと御膳が出てきた。ALL漬物御膳。
「試食だけよりか、ご飯と一緒に食べた方が味がようわかるからね〜」
確かにそうだけど試食1つ1つを覆ってるラップに乗ってる「¥300」ってのは何だ。御膳だから5皿くらい在るぞ。1500円以上やんけ。何が試食や。

店の通路を塞ぐように机と椅子を出されたので仕方なく食べる。
美味しい。以外と美味しい。

…食べても食べても無くならない!!
さっきまで朝日だったのが夕日に変わって燦々と店内に入ってくるしシャッター閉め始めてるし。
女将に謝ると
「そういうお客さんよう居はるから気にせんでええよ〜」
良かった。というか居るんだ。つうか帰らせろよ。

そういや父には昼前には家に着くって言ってたから連絡しないと。
江ノ島から逗子迄ってどれくらいかかるっけ。
…確か逗子から引越したんだよな。厚木か相模原だったような。

香川に引越したんだった。

浜辺の土産屋

豊島屋本店限定の鳩三郎グッズが欲しい

浜辺の土産屋

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted