全ては赤いのでした

ほら、よおくみてごらん!

諸君!
全てが眼に見えるものだけではありません

僕は裏を読めないときがある
この場合の裏は本心という意味合いです

彼女はいつだって死に物狂いだつたのに
大丈夫 大丈夫とばかり口にしていた
言葉は不思議なものです
信じてしまう
愚かなものです

彼はいつだって愛を僕にくれていたのに
そつけのないふりをして煙草をふかしておつた
行動は時にうそをつく
信じてしまう
愚かなものです


彼女は何もしんじなくなつた
言葉の上では
僕はかれらをみると苦しくいきができなくなる

彼女は彼女を受け入れなければならないし
僕は僕でありつづける必要がある

とてもむずかしい問題だ
いあ、
むずかしく考えて問題を遠ざけたいだけだ


かあさん!僕は大変愚かな息子です!
とうさん!僕は大変愚かな息子です!


正直者に育てて下さり
命をくだすってありがとう!
愚かな僕は愚かなりに
細胞のひとつひとつまでよくみて
自己を確立することに
赤色をたんとたんと注ぎます!

全ては赤いのでした

全ては赤いのでした

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-06

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