白銀の釘を

今の僕には何にも無い。
空っぽで、スカスカのすっからかんなのである。
「じゃあ昔は中身があったのか」なんて意地悪な質問はやめてくれ。
とにかく今の話をしようじゃないか。

思想も無い、志向も無い、指標も無い、需要も無い。
詰まるところがしょうもない人間だ。
だからと言って死ねるわけでもなく。

ゾンビをご存知だろうか?
空っぽの頭で意味の無い言葉を呻きながら歩く連中を。
生きるでもなく、死ぬでもなく、狭間の隙間に在る者。
元来存在してはならないもの。
彼らと僕に、何の違いがあるだろうか。

ああ、早く僕にとどめを刺してくれ!
謝礼なら弾もう。
空っぽの僕の全部をあげよう。
要らない?
要らないか。そうか。
わかってるよ。わかってたよ。

白銀の釘を

白銀の釘を

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-06

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