白銀の釘を
今の僕には何にも無い。
空っぽで、スカスカのすっからかんなのである。
「じゃあ昔は中身があったのか」なんて意地悪な質問はやめてくれ。
とにかく今の話をしようじゃないか。
思想も無い、志向も無い、指標も無い、需要も無い。
詰まるところがしょうもない人間だ。
だからと言って死ねるわけでもなく。
ゾンビをご存知だろうか?
空っぽの頭で意味の無い言葉を呻きながら歩く連中を。
生きるでもなく、死ぬでもなく、狭間の隙間に在る者。
元来存在してはならないもの。
彼らと僕に、何の違いがあるだろうか。
ああ、早く僕にとどめを刺してくれ!
謝礼なら弾もう。
空っぽの僕の全部をあげよう。
要らない?
要らないか。そうか。
わかってるよ。わかってたよ。
白銀の釘を